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母がいんらんなときに身ごもると、娘は美しくなってしまうんだ(少女七竈と七人の可愛そうな大人/ななかまど)

 ども、美少女の父たいちろ~です

 先日、自宅の近くの公園で七竈(ななかまど)と南天(なんてん)が並んで植えてあるのを見つけました。春なので実はついていませんが、秋に実がつくと綺麗なんでしょうね。なかなか粋な演出です。
 ということで、今回は桜庭 一樹の”少女七竈と七人の可愛そうな大人”のご紹介。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
公園の七竈の木


【本】少女七竈と七人の可愛そうな大人(桜庭 一樹 角川書店)
 「わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」(本文より)
 辻斬りのように男遊びをした母から生まれた父親のわからない美少女、七竈の物語。
【花】七竈(ななかまど)
 名前は"大変燃えにくく、7度竃(かまど)に入れても燃えない"からだそうです。公園の説明プレートによると”赤い実はアオゲラ、ツグミが好む。紅葉が美しく、実は落葉後も残る。晩秋の季語”との事。


 どうも、桜庭 一樹という人は親が不在というシチュエーションを好まれるようです(*1)。川村七竈の母親の優奈は七人の男と関係をもち、その中の一人の子供を生みます。それが主人公の美少女”七竈”。もう一人の主人公が、七竈の友人の美少年”雪風(ゆきかぜ)”。
 この二人にとっての美しさは、二人の住む旭川という街では”ある種の禍々しき異形の証”と感じています。だんだんと似てくるかんばせ(顔)は、二人が姉弟かもしれないという呪いでもあります。

 高校を卒業し東京の大学に向かう前、七竈が長く黒い髪を切ります。鏡の中に見出したのは雪風の顔。そこにあったのは、決別への思いなのか、旅立ちへの意思なのか・・・

 透明感の漂う子供達に対し、親の世代はいろいろな業(ごう)を抱えて生きています。
 結局、七回ぽっちじゃ燃えきらなかったものだから。
 いろいろ、あったのよ。


 未だに男性遍歴と放浪癖の抜けない母親の優奈さんの発言ですが、”燃えたよ、まっ白に・・・燃えつきた・・・まっ白な灰に・・・(*2)”と言えるのは案外、幸せな人生なのかも。人は業を満足させないと明日は見えてこないかもしれません。
 
 印象的なのは、赤と白のコントラスト

  雪国の木ですから、
  そうすると赤い実にずっしりと雪が降り積もって、赤と白でとても美しい
  そのまま朽ちる運命ですが、とにかくずっと美しいのです


 七竈の学校の先生が”七竈の木”のことを話すシーンです。(本文より)

 七竈の”赤い実”、七竈の”白い花。
 七竈は”赤”、雪風は”白”。
 鮮やかすぎる二人の色彩の対比がとても素敵です

 本書は2006年にハードカバーで出版されましたが、09年に文庫版で再出版されました。表紙で本を選ぶのには異論があるでしょうが、私は06年版のほうが好きです。
 米倉斉加年(*3)のような細い線と、竹久夢二(*4)のような淡い色使いが気に入っています。

 ところで、母がいんらんだったかどうかわかりませんが、娘は美少女です。
 まあ、父親にとって娘とはそんなもんだと言うことで・・・
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《脚注》
(*1)親が不在というシチュエーションを好まれるようです
 ”私の男”は母親不在、”荒野”は父親が再婚、”赤朽葉家の伝説、”は捨て子、”GOSICK”は母親が失踪中。ともに面白いので、ぜひご一読のほどを。
 私の男(文藝春秋):父と娘の禁断の過去を描いた直木賞を受賞作
 荒野(文藝春秋) :恋愛小説家の父と鎌倉に暮らす少女の物語。
          ライトノベル発、ハードカバー行き
 赤朽葉家の伝説(東京創元社):女性3代の歴史を描いた桜庭版大地(パールバック)
 GOSICK(富士見ミステリー文庫):図書館の秘密の部屋の住人、謎の美少女、
          ヴィクトリカを主人公にしたライトノベルな推理小説。
(*2)燃えたよ、まっ白に・・・
 ”あしたのジョー”(ちばてつや 講談社)の名セリフ。ラストのシーンはマンガ史に残る名画です。
(*3)米倉斉加年
 俳優にして絵本作家、絵師。ボローニャ国際児童図書展の大賞を、世界で初めて2年連続受賞するなど、絵のすばらしさは俳優の余技のレベルではありません。
 ”まさかね見世”で作品がご覧いただけます。
(*4)竹久夢二
 大正ロマンを代表する画家、詩人。「夢二式美人画」と呼ばれる日本画が有名。
 伊香保温泉の”竹久夢二伊香保記念館”は訪れたことがあります。温泉と合わせて大正ロマンを感じていただけばと。

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コメント

あしたのジョー2はついこの間までGyaoで配信してたので、久々にわくわくしながら見てました。真っ白に燃え尽きる、そこまで打ち込める・のめり込めるものが、最近ないなぁ。
”母がいんらんだったかどうかわかりませんが、娘は美少女です。”・・・ですか。種が違うんじゃないですか?

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