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格付けしあうオトナたち(金融権力/りんご)

格付けしあうオトナたち

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写真はたいちろ~さんの撮影



【本】金融権力(本山美彦 岩波書店)
 副題は”グローバル経済とリスク・ビジネス”。内容かなりの部分をサブプライム問題と、それに至る歴史的/思想的背景にさいています。
【花】りんご(林檎)
 やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは
  薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)に人こひ初(そ)めしはじめなり
  島崎藤村 ”若菜集 初恋”より
 甘酸っぱい味です

 あけましておめでとうございます。たいちろ~です
 本年もよろしくお願いします。

 冬まっさかりということで、りんごのおいしい季節になりました。メタボなおぢさんにはりんごダイエットというのもありますし。ということで、今回はりんごの話題。

 昨年末ですが、”所さんの目がテン!(*1)”で”りんごの科学(*2)”というのををやっておりました。面白かったテーマは”りんごの蜜を集めると甘いジューズができるか?”というもの。正解は”あまり甘くない”です。蜜のはいったりんごが甘いのは、”蜜自体が甘い”のではなく、”蜜が入っているのはりんご自体が甘いサイン”なんですね。(詳しい説明は”所さんの目がテン!”のホームページをご参照ください)
 りんごに限らず、甘さの目安として”糖度”というのもありますが、ものごとのランクを決める=格付けというのは、以外と難しいものです。上記のような知らない人にとっては思い違いもありますし。

 私は以前、”格付・自己査定”のシステムにかかわっていたことがあります。これは大まかに言って企業のリスク(金融機関から見て、貸しているお金が回収できるか)を”定量的”と”定性的”の観点で分析するものです。
 定量分析は財務諸表を中心に、数値化できるものを扱うもの、定性分析は社長の人柄、後継者、業界自体の成長性など、本来は数値化できないものを無理やり数値化して評価するものです。

 正月早々、硬い話ですいませんが、もうしばらくお付き合いのほどを・・・

 ただ、数値化できるといっても、ランクの範囲設定を変えればどうとでもなるし、定性分析にいたっては、かなり恣意的な部分に左右されるので、客観性においてはどうなんでしょうか。”格付けしあう女たち(*3)”をみれば、個人の意見と多数の意見が合うほうが難しいのかも。

 ということで、今回紹介の”金融権力”ですが、S&P,ムーディーズといった格付け会社が、”会社の命運を左右する権力”になっているとの主張からとっています。また、サブプライム問題の本質は、証券化にあたって、商品を無理やり安全なランクに見せかけたこと、いきなり格付けを下げたことにより資金の流動に急ブレーキをかけたことにあると言っています。
 かつての日本の不良債権問題で、不良債権額が膨らんだのは、現時点での額はわかっていても、そのうち持ち直すはずだとの期待感から公表しなかった側面がありますが、今回のサブプライムでは、”損失がいくらあるかわからない”、つまり、”今、この債権の価値はいくらなのかが決められない”ことが問題を大きくしています。

 サブプライムとセットで語られる”証券化”という手法も、それ自体はリスクを分散させることで、金融機関にリスクを集中させないというプラスの側面もありますが、運用とその精神を間違えるととんでもないことになる例です。そういった面では労働者派遣法の改正(*4)とよく似ています。

 経済学というのは、その人の立場、時代背景(*5)によって好き嫌い(*6)がありますので、一概にお勧めすることはできませんが、居酒屋で”サブプライム問題”に薀蓄(うんちく)をかたむけるおぢさんとしては、この手の本も読んどいたほうがいいかも。

《脚注》
(*1)所さんの目がテン!
 日本テレビ系で日曜朝(東京は7時、仙台では7時15分)に放映している体育会系科学番組。体をはって実験をしたり、変な料理を作って試食したりしています。オトナが見ても充分楽しめます。
(*2)リンゴの科学
 2008年12月14日の放映。
(*3)格付けしあう女たち
 テレビ朝日系で火曜日9時放映の”ロンドンハーツ”の人気コーナー。テーマを決めて順位を決めるというといシンプルなルールですが、回答者の主観と調査結果はほんど合いません。いわゆる”自分が見る自分”と”他人が見る自分”の違いです。
 忘年会あたりでやったら盛り上がりそうなゲームですが、しらふになったらきっと人間関係がギクシャクするでしょうね。
(*4)労働者派遣法の改正
 ここでは2004年3月の改正を指します。派遣期間を1年から3年に延長、物の製造の業務への派遣解禁など。働く側としては就業形態の多様化、企業側からは機動的な労働力の確保など、単なる悪法というわけではありません。ただし、景気がよければとの前提がつきます。
 むしろ、不景気時のセイフティネットをちゃんと整備しなかったことのほうが問題だと私は思います。
(*5)その人の立場、時代背景
 私の学生時代は”サプライサイドエコノミックス”華やかかりしころでした。
 ”価格は需要曲線と供給曲線の交差するところで決定する(社会の時間でやりましたが、覚えていますか?)”ので、供給側を増加させると経済成長するという考え方。レーガノミックス(レーガン大統領のとった経済政策。任期は1981年1月~1989年1月)の理論的バックボーンです。
 これでも私、経済学部卒業なんですよ。いちおう・・・
(*6)好き嫌い
 著者の山本教授はフリードマン(新自由主義の代表的な経済学者)がお嫌いなようです。

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