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鋼鉄に閉じ込められし魂(エイトマン/タバコ)

【本】エイトマン(原作 平井和正、作画 桑田次郎 扶桑社文庫他)
【DVD】エイトマン(TBS 1963~64年放映)
 射殺された刑事・東八郎は、谷博士によって人格、記憶をスーパーロボットの電子頭脳に移植され、私立探偵にして警視庁捜査一課の八番目の男”エイトマン”として甦り、悪人や、他のロボットを戦うSFアクション。
【花】タバコ
 大きな葉っぱなのは知っていましたが、実物を見たことはありません。それもそのはず、葉タバコの栽培はたばこ事業法により、契約した農家だけしか栽培できません。園芸店で売っていないはずです。

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写真は”花の公園・俳句 ing”より



 @Niftyのココログで”あなたを熱くさせたロボットアニメは?”というお題があり、投稿することにしました。順当なところでは、ガンダム、エヴァンゲリオンあたりでしょうが、ひねくれもののおぢさんとしては、ぐっとしぶく”エイトマンなぞのネタを。

 あらフィフ世代は、日本のアニメ黎明期の生き証人です。イコール、ロボットアニメにどっぷりはまった第一世代でもあります。この時代のロボットを人工知能の観点(*1)で分類すると、以下の3パターンになります。

鉄腕アトム:自立思考型
 日本初の連続テレビアニメにして、ロボットの代名詞。原作は手塚治虫。1963年より放映。自分の判断で行動できるロボットの原点です。日本人に ”ロボット=良き隣人”のイメージ(*2)を持たせた功労者。
鉄人28号:有人操作型
 リモコンで操作される巨大ロボット。原作は、横山光輝。1963年より放映。大日本帝国陸軍の秘密兵器という設定が時代を感じます。後に搭乗型のマジンガーZ,ガンダムなどを含め、ロボットアニメのメインストリームになります。
人格移植型:エイトマン
 人間の人格、記憶をロボットに移植するタイプで、広義ではサイボーグ(*3)といえなくもないですが、生体を利用していない違いがあります。数は少ないですがキャシャーン(*4)、ロボットではないですがアルカディア号(*5)などがこれに当たります。

 で、人格移植型にのみ発生するのが、人間としてのアイデンテティの問題。つまり、”自分は人間なのか、ロボットなのか?”という問題です(*6)。人間としての自意識があるため、本人は”人間だ”と思いますが、実際は鋼鉄の体を持つという矛盾。サイボーグであれば、生身の”脳髄”を持ってるので、人権を主張できますが、それができない故に、性格に暗い影を与えることになります。

 今回のエイトマンはまさにこの典型。原作の平井和正は1960年代を代表するSF作家の一人で、”ウルフガイシリーズ(*7)”、”サイボーグ・ブルース(*8)”、”幻魔大戦(*9)”といった秀逸なSF作品を書いています。人間のダークサイドを鋭くえぐるような作風が特徴。
 作画の桑田次郎のシャープな線は、ハードボイルドなエイトマンとよくマッチしています。平井・桑田のコンビで、”デスハンター(*10)”などを残しており、マンガというより、劇画に近い作風なのかもしれません。
 TVアニメ版の脚本家も豊田有恒(時間砲計画、宇宙戦艦ヤマトの原案)、半村良(石の血脈、戦国自衛隊など)といったキラ星のようなSF作家が参加しており、骨太なストーリー展開になっています。

 何回かリメイクされていて、最近では”8MAN infinity”(*11)が続編の位置づけで連載されました。

 エイトマンで有名なガジェットといえば、”タバコ”。原子炉を冷却する強化剤という設定で、吸うと元気になります。サム・スペイドの時にも書きましたが(”烏丸丸太町?”の項をご参照)、やはりハードボイルドな男にはタバコがよく似合います。禁煙車両、タバコ税値上げ等、喫煙者には住みにくい世の中ですが、どうせ吸うなら、あのようにカッコよく吸いたいものです。

 1960年代のSFマインドを感じたい方にはお勧め。ウルフガイシリーズなと、この時代の平井和正作品は傑作が多いので、気に入られたら、あわせて読まれることも良いかと思います。


《脚注》
(*1)人工知能の観点
 コンピュータを何に使っているかの問題で、姿勢制御ひとつとってもコンピュータなしにロボットはの存在はありえません。
(*2)”ロボット=良き隣人”のイメージ
 手塚治虫の偉大なのは、その作品を通じて多くの人々の人生に大きな影響を与えていること。日本のロボット学者の大部分は鉄腕アトムに何らかの影響を受けているそうです。(*3)サイボーグ
 身体の機能を、機械などの人工物に代替させることで、身体の補助や強化を行った人間の事。サイボーグ009が有名。
(*4)キャシャーン
 ”新造人間キャシャーン”(タツノコプロ)の主人公。東鉄也は人間と融合することで”不死身の体=新造人間”になります。納谷 悟朗(宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長の声優)のオープニングが渋いです。
(*5)アルカディア号
 松本零士の漫画”宇宙海賊キャプテンハーロック”、”銀河鉄道999”に登場する宇宙戦艦。大山トチローは死後、アルカディア号の中枢大コンピューターにその魂を宿しています。
(*6)自分は人間なのか~
 大山トチローは悩んでいませんが、これは作品の中で”機械化人=人間”という社会的コンセンサスが取れているからと推測されます。
(*7)ウルフガイシリーズ
 満月になると不死身の体になる”人狼”犬神明の物語。最近、泉谷あゆみの作画でマンガ化されています。
(*8)サイボーグ・ブルース
 殉職した黒人警官アーネスト・ライトは、サイボーグ特捜官として再生しするという、ロボコップのご先祖様のような作品。
(*9)幻魔大戦
 石森章太郎との共作で少年マガジンに連載。宇宙消滅を企てる幻魔と超能力者の東丈、プリンセス・ルナ、サイボーグのベガ、宇宙人のフロイの戦いを描く。多くのバージョンあり。
(*10)デスハンター
 原作の小説は”死霊狩り(ゾンビーハンター)”。田村俊夫は、謎の生命体”デス”に憑依され不死身となった人間を滅ぼしていくというなかなかに陰惨な物語。林石隆が素敵です。
(*11)8MAN infinity
 原作 七月鏡一、作画 鷹氏隆之の漫画。旧エイトマンの登場人物以外に、林石隆、リープ、アーネスト・ライトといった、平井・桑田作品の登場人物がてんこ盛り!


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こら、エイトマンとかアトム・キャシャーンとかをまとめて扱うな!どれかひとつだけでも延々と語れるネタじゃないか!!!あらためて特集を組みなさい!

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