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2008年12月14日 - 2008年12月20日

時代の空気の違い、でしょうか?(おじいさんは山へ金儲けに/ソテツ)

時代の空気の違い、でしょうか?

Dcf_0054 写真はたいちろ~さんの撮影








【本】おじいさんは山へ金儲けに(村上 龍 冬幻舎)
 昔話を題材に、投資(ファイナンス)の基礎をわかり易く解説しています。副題は”時として投資は希望を生む”
【花】ソテツ
 蘇鉄。窒素固定能力(*1)があるので、やせ地でも育つ。南国ムードの映像で使われるように、宮崎県都井岬あたりが自生の北限。”蘇鉄の花”の季語はもちろん夏です。

 家の近くにソテツの木があります。と、”何をこの真冬に!”と言われそうな季節はずれの話題で今回は始まります。
 ソテツは、フェニックスと並んで九州・沖縄地方の南国の象徴のように扱われていますが、、本州中部以南でも育てることができるそうです。常緑なので、冬でも緑の葉をつけてます。なので、今の季節にここ(神奈川県)にあっても何の不思議もないのです。
 ないのですが、やはり、この季節にソテツの話題はなにか違和感があります。別に、ソテツが夏になったらわいて出て、冬には消えてしまうものではないですが、冬に話題を振られてもなんだかな~、と思われているかもしれません。西行法師ではないですが(*3)、やはり桜の話題は春とか、旬というものがあります。

 本にもやはり、季節感というか、時代感といったものがあります。仕事がら経済関連の本もけっこう読みますが、経済書というものは、ちょっと時代が変わると読書感になんとはない違和感があるんですね。コンピューター関連ほどではないですけど(*4)。
 今回ご紹介する”おじいさんは山へ金儲けに”の発刊は2001年8月(NHK出版版)。この年はブッシュ(Jr)が大統領に就任、第一次小泉内閣発足、アメリカの同時多発テロ(9.11)などがありました。小泉首相就任時の当時の日経平均株価が14,529円。インターネットバブルの崩壊後です。その後をなぞると、銀行の投資信託の窓口販売は2002年あたりから急速に拡大し、残高全体も回復基調に向かいます。

 本の内容については、投資に関するきわめて常識的、基本的な内容ですが、トーンが前向きなんですね。小泉内閣発足直後ということもあって、改革の時代の予兆みたいなものがありました。まあ、小泉純一郎という人は”喧嘩上等(*5)”なので、”何かありそう”みたいな時代の空気がありましたし。結果として、小泉内閣前半は、日経平均は下落基調、後半は上昇基調でしたので、みんなが儲けたかどうかはわかりませんが。

 で、100年に一度の金融危機と言われながら閉塞感しかない今読んでみると、投資に希望を見出せない時代になってるんだな~と思わざるを得ません。たぶん、そこにあるものは同じなのに、見る側が変われば見え方が違うんでしょうね。

 内容についてはまっとうなので、時代背景を含んで読まれるほうが面白いでしょう。

 ちなみに、私が気に入っているサブタイトルは”投資について、自分で納得できないことはしなくてもいいし、してはいけない(*6)”です。

《脚注》
(*1)窒素固定能力
 空気中に多量に存在する窒素分子を、他の窒素化合物(アンモニア、硝酸塩、二酸化窒素など、つまり肥料)に変換するプロセス。そういえば、キューティーハニー(*2)に空中元素固定装置というのもありましたね。
(*2)キューティーハニー
 永井豪原作のマンガ。監督 庵野秀明、主演 佐藤江梨子、主題歌 倖田來未という壮絶な組み合わせで実写映画化。でも、オールドファンは、アニメ版の変身シーンがムフheart01です。
(*3)西行法師ではないですが
 ”願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃”
 有名な鎌倉時代の歌人、西行法師の句。ここでの花は桜、きさらぎの望月は2月15日、実際に西行法師が亡くなったのは2月16日です。
(*4)コンピューター関連ほどではないですけど
 コンピューター関連だと、3年前の本はほとんど古典を読む様なものです。
(*5)喧嘩上等
 やんきぃ用語。喧嘩は大歓迎といった意味。まあ、一国の首相が”しのぎ”(暴力団 用語で資金獲得の活動の意味)とか言っちゃう時代ですから・・・
(*6)投資について~
 リスク商品の購入は自己責任が原則です。銀行の窓口で、わかっていないのにコンプライアンスチェックシートにハンコを押すのは命取りだと、もう少し真剣に考えたほうがいいと思いますよ、奥様。

第九の季節(不滅のアレグレット/ベートーヴェン 交響曲第9番/シオドメの森)

第九の季節

Jpg
写真はたいちろ~さんの撮影



【本】不滅のアレグレット(松本零士 小学館)
 タイトルの”不滅のアレグレット”はベートーベン交響曲第7番 第二楽章から。フルトヴェングラー(*1)のナチスドイツ下での苦悩するエピソードの表題でもあります。
 1979年に発刊なので、ディスコグラフィーはすべてLP。
【CD】ベートーヴェン 交響曲第9番《合唱付き》
 日本人がもっともよく知るクラシックの名曲。年末の風物詩。”Freude!”(ドイツ語で”歓喜”)は声楽をやっている人の憧れ。私の持っているのはフルトヴェングラー版です。
【旅行】シオドメの森
 汐留、日本テレビ前で開催されている光のイルミネーションイベント(2008年12月25日まで)。白を基調とした光の渦は、月光を受けて煌めく雪山の森にいるようです。

シオドメの森 公式ホームページ

 前回、神戸のルミナリエの話題でしたので、今回は東京のイベントです。
 先日、”シオドメの森”に行って来ました。
 他のイルミネーションは樹木や壁を利用したものが多く、見上げる目線のものですが、こちらは、一本の木を中心に地面にイルミネーションを配しているので、光の森の中にいるようです。”星々の上に、神は必ず住みたもう”と、神様の地平にいる気分になれます。
 ところでこの”星々の上に”のフレーズは、シラーの”歓喜の歌”の一節。ご存知、ベートーヴェン 交響曲第九番 合唱付き”で歌われています。
 ということで、今回は第九のお話。

 ”銀河英雄伝説(*2)”や、”少女セクト(*3)”を始め、映画やアニメのBGMとしてクラシック音楽が使われることがよくあります。で、第九を使ったものとしては、”エヴァンゲリオン”の第二拾四話の戦闘シーンが有名(*4)です。凄絶な戦闘と、謎を含んだ淡々とした会話に、この神を称える讃える合唱が重なる臨場感は、アニメ史上もっともすばらしいシーンのひとつと思います。
 第九は年末の風物詩ですし、改めてご覧になるのもよいかと。

 本のご紹介ですが、クラシックを扱った名著は数多くあり、いろいろ迷いましたが、今回は少し毛色のちがったことろで、今回は”不滅のアレグレット”にしました。
 この本は、松本零士氏による、クラシック演奏者を題材にしたマンガです。この本で、フルトヴェングラーを、クライスラーを知りました。そしてシュバイツァーがオルガン奏者であることも。私をクラシックの世界に誘ったきっかけの1冊です。
 演奏者たちの苦悩や、未来を信じる若者たちの希望、ネコの思い出とかを松本零士氏独特の絵柄で語られています。

 残念ながら絶版のようで、Amazon.comでも入手不可(2008年12月16日現在)。もし、古本屋で見つけたら迷わず買ってください。クラシックファンに捧げる珠玉の1冊です。

《脚注》
(*1)フルトヴェングラー
 戦前、戦後ドイツの偉大なる指揮者。ベルリン・フィルの音楽監督。ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー等の名演がCDで発売されています。
(*2)銀河英雄伝説
 銀河帝国と自由惑星同盟が宇宙の覇権をかけて争う田中芳樹の長編SF。本編だけでも徳間文庫で20冊といった長編小説を、なんと110話にわたってほぼ忠実に映像化したのもすごいが、そのBGMがほとんどクラシックというのももっとすごい。
(*3)少女セクト(アニメ版)
 玄鉄絢原作の同題のマンガをアニメ化。女性たちの禁断の愛を描く叙情的18禁百合アニメ。てか、何でこんなのを知ってる?!
(*4)戦闘シーンが有名
 有名になった映画、アニメ、小説をみんなが見ていると思い込むのはありがちな間違い。反省しましょう。

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