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月を見るな!(バンパイヤ/満月)

月を見るな!(*1)

20081128moon_2






【本】バンパイヤ(手塚治虫 秋田書店、講談社)
【DVD】バンパイヤ(虫プロ コロムビアミュージックエンタテインメント)
 バンパイヤ族のトッペイと悪魔の申し子ロック、バンパイヤの支配する世界を作ろうとする革命委員会の三つ巴の戦いを描いた名作コミック。
 秋田書店文庫版の1巻には水谷豊氏があとがきを寄稿しています。
【自然】満月
 この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば(藤原道長)

 この年末は水谷豊氏が大ブレイクしています。映画版”相棒”のDVDが大ヒットとか、紅白歌合戦に出場とか、ベストドレッサー受賞とか。でも、おぢさん世代にとって水谷豊氏といえば”バンパイヤ”なんですよね。ちなみに水谷豊氏のデビュー作だそうです。”傷だらけの天使”(*2)じゃなくて。

 満月をみると狼に変身するトッペイを、実写版では水谷豊氏が好演。タイトルはバンパイヤ(吸血鬼)ですが、ベオウルフ(狼男 ドイツ語 Werwolf)です。(だから、今回のキーワードは満月) そして、もう一人の主人公、ロックこと間久部緑郎(まくべろくろう)。悪魔の申し子、悪の天才、変装の名人(美女にもなってます)と、手塚ワールドのダークサイドを代表する悪役です。
 子供のころの印象では、悪の手先になるトッペイの苦悩の物語と思っていましたが、今、改めて読むと、ロックのピカレスクロマンといった印象です。間久部緑郎の名前の由来は、マクベス(*3)だそうです。敵に対しては冷酷なる殺人者、トッペイやバンパイヤ一族は利用するだけ利用する、その一方親友は殺せなかったり、自分の殺した人間の幽霊におびえたり(でも、笑いながら復活を宣言してるけど)。悪の権化と弱い人間の振幅の大きい、魅力的なキャラクターです。友達にしたいタイプではないですが。

 でも、この作品が、現在に発表されていたら、きっと ロック×トッペイ(*4)とかするんでしょうね。腐女子(*5)の人たちは。

 ”自分は悪い人ではないか”と悩んでいる人にはお勧めです。ただし、ナイスミドルの水谷豊氏のイメージを壊したくなければ、実写版の変身シーンは見ないほうがいいです。

※ニコニコ動画での変身シーンはこちら

【ニコニコ動画】バンパイア

《脚注》
(*1)~を見るな!
 出展は”マイティジャック(円谷プロ 1968年放映)”から。メカの美しいフォルムは今でも色あせていません。
(*2)傷だらけの天使
 主演の萩原健一に対して「兄貴ぃ~!」と呼び掛けるチンピラ風の水谷豊氏が印象的でした。岸田今日子も素敵だったし。1974年放映。
(*3)マクベス
 シェイクスピア作。四大悲劇のひとつ。魔女の予言(”あなたは王の父親になる”、”女の股から生まれたものはマクベスを倒せない”)は原作へのオマージュ。
(*4)A×B
 ボーイズラブ(男と男の恋愛ファンタジー)用語。Aが攻め(アクティブなほう)、Bが受け(パッシブなほう)。
(*5)腐女子
 ボーイズラブをこよなく愛するお嬢さんたちのこと。その生態は”腐女子彼女(ぺんたぶ  エンターブレイン)”、”となりの801ちゃん(小島アジコ 宙出版)”に詳しい。


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