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2008年11月

かみつれの花が咲いたら(図書館戦争/かみつれ)

かみつれの花が咲いたら(*1)

20081130komomiru

写真は”Keiの想いの部屋”から




【本】図書館戦争(有川 浩 メディアワークス)
【コミック】図書館戦争(有川 浩 ふる鳥 弥生 アスキー・メディアワークス)
      図書館戦争(弓 きいろ 有川 浩 白泉社)
【DVD】図書館戦争(プロダクション I.G 角川エンタテインメント)
 検閲から本を守るために図書館とメディア良化委員会が武力闘争する時代。図書特殊部隊(ライブラリー・タスクフォース)の活躍を描く。過激な作品名ですが、でもラブコメ。原作は第39回星雲賞(*2)日本長編作品部門を受賞。
【自然】かみつれ
 カモミールまたはカモマイル。リンゴの果実に似た匂いがあり、アロマオイルや、ハーブティにつかわれます。

 ”図書館戦争”のDVD Vol.4を観ました。この中でかみつれの話題がありましたので、今回はかみつれのお話。

 ハーブ栽培が趣味なので、昔植えたことがあります。リンゴに似たさわやかなにおいのする、”香りのカーペット”を作ろうと思って。そのあと引っ越しをしたので、野望は潰えましたが、来年もこの場所にいたら、がんばってみましょい。
 ”図書館戦争”の作中では、かみつれは図書隊のマーク(*3)に使われています。選定したのは創設者にして基地指令の奥さんが好きだったからですが、花言葉は”逆境に耐える”、”逆境の中の活力”ということで、なかなかに意味深い選定です。

 ストーリーは”図書館とメディア良化委員会が検閲を巡り武装化して戦う”とういうハードな設定ですが、ベースは”図書館の自由に関する宣言”の思想です。私たちが大切にしないといけないものを守る戦いに身を投じる隊員たちの活躍を描くアクションものです。

 でも、けっこうラブコメなんですよね。”熱血バカ”こと笠原 郁さんと、”怒れるチビ”こと堂上 篤さんの。郁さんの図書隊への志望動機が、高校生の時、本の没収に抵抗した郁さんを助けた図書隊(郁さん曰く、”私の王子さま”)にあこがれて、というのも素敵です。これが、ラブコメの伏線になっています。
 本編では、郁さんが”アホか!”と堂上さんにしょっちゅう叱られていますが、まわりからは過保護に見られているようです。両方とも根が熱血なのでくっつくまで紆余曲折ありますが、結局にたもの同士です。(小牧 幹久さん(*5)の談)
 別冊では、”武闘派バカップル”全開です。

 ちなみに私は、小牧 幹久さんのファンです。

 図書館を愛するすべての人にお勧めです。
 原作の有川浩の作品ははずれがないので、ぜひ他の作品もご愛読ください。

図書館戦争 公式ホームページ

《脚注》
(*1)~の花が咲いたら
 出展は”あらいぐまラスカル(日本アニメーション 1977年放映)”の主題歌から。元気のでる名曲です。ちなみにラスカルの声が野沢雅子さん(ドラゴンボールの孫悟空の中の人)は驚きです。
(*2)星雲賞
 日本SF大会の大会の参加者の投票によって選ばれる賞。”日本沈没(小松 左京)”など、良作が目白押しです。
(*3)図書隊のマーク
 かみつれの花と本を組み合わせています。具体的には公式ホームページを参照下さい。 徽章(階級章)もかみつれの花と本の組み合わせです(原作の最後にまとめて掲載されています)
(*4)図書館の自由に関する宣言(抄)
 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
    第1 図書館は資料収集の自由を有する。
    第2 図書館は資料提供の自由を有する。
    第3 図書館は利用者の秘密を守る。
    第4 図書館はすべての検閲に反対する。
  図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
(*5)小牧 幹久
 ”笑う正論”。堂上さんの同期で副班長。DVD版の声は石田 彰氏(エヴァンゲリオンの”渚カヲル”の声といえばわかる人も多いかも)。郁さんの入隊のきっかけの事件を知っており、ときどきくすぐりを入れてます。

月を見るな!(バンパイヤ/満月)

月を見るな!(*1)

20081128moon_2






【本】バンパイヤ(手塚治虫 秋田書店、講談社)
【DVD】バンパイヤ(虫プロ コロムビアミュージックエンタテインメント)
 バンパイヤ族のトッペイと悪魔の申し子ロック、バンパイヤの支配する世界を作ろうとする革命委員会の三つ巴の戦いを描いた名作コミック。
 秋田書店文庫版の1巻には水谷豊氏があとがきを寄稿しています。
【自然】満月
 この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば(藤原道長)

 この年末は水谷豊氏が大ブレイクしています。映画版”相棒”のDVDが大ヒットとか、紅白歌合戦に出場とか、ベストドレッサー受賞とか。でも、おぢさん世代にとって水谷豊氏といえば”バンパイヤ”なんですよね。ちなみに水谷豊氏のデビュー作だそうです。”傷だらけの天使”(*2)じゃなくて。

 満月をみると狼に変身するトッペイを、実写版では水谷豊氏が好演。タイトルはバンパイヤ(吸血鬼)ですが、ベオウルフ(狼男 ドイツ語 Werwolf)です。(だから、今回のキーワードは満月) そして、もう一人の主人公、ロックこと間久部緑郎(まくべろくろう)。悪魔の申し子、悪の天才、変装の名人(美女にもなってます)と、手塚ワールドのダークサイドを代表する悪役です。
 子供のころの印象では、悪の手先になるトッペイの苦悩の物語と思っていましたが、今、改めて読むと、ロックのピカレスクロマンといった印象です。間久部緑郎の名前の由来は、マクベス(*3)だそうです。敵に対しては冷酷なる殺人者、トッペイやバンパイヤ一族は利用するだけ利用する、その一方親友は殺せなかったり、自分の殺した人間の幽霊におびえたり(でも、笑いながら復活を宣言してるけど)。悪の権化と弱い人間の振幅の大きい、魅力的なキャラクターです。友達にしたいタイプではないですが。

 でも、この作品が、現在に発表されていたら、きっと ロック×トッペイ(*4)とかするんでしょうね。腐女子(*5)の人たちは。

 ”自分は悪い人ではないか”と悩んでいる人にはお勧めです。ただし、ナイスミドルの水谷豊氏のイメージを壊したくなければ、実写版の変身シーンは見ないほうがいいです。

※ニコニコ動画での変身シーンはこちら

【ニコニコ動画】バンパイア

《脚注》
(*1)~を見るな!
 出展は”マイティジャック(円谷プロ 1968年放映)”から。メカの美しいフォルムは今でも色あせていません。
(*2)傷だらけの天使
 主演の萩原健一に対して「兄貴ぃ~!」と呼び掛けるチンピラ風の水谷豊氏が印象的でした。岸田今日子も素敵だったし。1974年放映。
(*3)マクベス
 シェイクスピア作。四大悲劇のひとつ。魔女の予言(”あなたは王の父親になる”、”女の股から生まれたものはマクベスを倒せない”)は原作へのオマージュ。
(*4)A×B
 ボーイズラブ(男と男の恋愛ファンタジー)用語。Aが攻め(アクティブなほう)、Bが受け(パッシブなほう)。
(*5)腐女子
 ボーイズラブをこよなく愛するお嬢さんたちのこと。その生態は”腐女子彼女(ぺんたぶ  エンターブレイン)”、”となりの801ちゃん(小島アジコ 宙出版)”に詳しい。


”桜庭一樹が好き”と言えるしあわせ(赤朽葉家の伝説/鉄砲薔薇)

”桜庭一樹が好き”と言えるしあわせ

【本】赤朽葉家の伝説(桜庭一樹 東京創元社)
 「山の民」に置き去りにされた超能力を持つ祖母、元暴走族の漫画家の母、ニートな娘の3代にわたる女性たちによる大河小説。
【植物】鉄砲薔薇
 調べてみましたが、どうも架空の薔薇のようです。

 会社員の読書時間といえば、通勤時間と相場がきまっていますが、Around50(アラフィフ)のおぢさんが電車の中でライトノベルを読むのは、正直しんどいものがあります。ブックカバーは必須アイテムで、イラストのページは急いで読んだりして・・・・

 で、今回は”私の男(*1)”で直木賞を受賞した桜庭一樹さんです。
 私自身は乱読派なのであまりジャンルは気にしませんが、さすがに”ライトノベル、好きじゃ~”と大声で叫ぶ(*2)勇気はないですが、それでも最近読んだ本でライトノベル作家を上げるのはあらぬ誤解を招くのではないか心配です。(とはいっても、普通の会社員がラノベ作家をそんなに知っているとも思えませんが)
 で、ライトノベル出身の桜庭一樹さんが直木賞で一般に認知されたのは喜ばしいことです。ただ、この人の作品って、暗いのが多いんですよね。ライト(Light=明るい)ノベル作家なんですけど。

 受賞作の”私の男”もそうですが、今回の”赤朽葉家の伝説”もです。長じて千里眼奥様、今で言うセレブになる赤朽葉万葉さんにしても「山の民」に置き去りにされた過去の持ち主だし、漫画家の母、毛毬も男を寝取られ続けるし、連載完了後に死んじゃうし。娘の瞳子さんはニートぎみだし。

 作中の鉄砲薔薇は「山の民」の象徴のような書き方がされています。自殺した人を人知れず埋葬する山の民の墓所に咲き乱れる鉄砲薔薇と、山の民の末である万葉さんの臨終の床で、銀髪にばら撒かれる鉄砲薔薇。なぜ、薔薇に鉄砲をつけたかわかりませんが、山の民=山窩(サンカ)=山間の非定住者=猟師の連想でしょうか。

 しあわせだったかどうかうかがい知れない祖母と母の人生ですが、娘の瞳子さんには、ぜひ平凡な人生を送って欲しいものです。

 家族を中心とした大河小説は読みたいけど”大地(*3)”は重たし~、とか、昭和から平成にかけての時代風俗を地方から見たいと思っている人にはお勧めです。

《脚注》
(*1)私の男
 第138回直木賞を受賞した桜庭一樹の傑作。 親娘の秘めたる関係とか、ライトノベルでは出せない内容です。
(*2)xx好きじゃ~ と大声で叫ぶ
 ”めぞん一刻”から。酔っ払った主人公の五代 裕作が、ヒロインの音無響子さんに叫ぶ言葉。
(*3)大地
 パールバック作。百姓から金持ちになり、没落していった家族3代の物語。新潮文庫で4冊の大河小説。


貧困のない生活”家庭菜園がある”(グラミン銀行を知っていますか/家庭菜園)

貧困のない生活”家庭菜園がある”

20081124saien  私の菜園(単身赴任寮のですけど)

 今は冬なので、あまり植物はありません。左はピーマン、右のでかいのはアスパラガスです。




【本】グラミン銀行を知っていますか(坪井ひろみ 東洋経済新報社)
 ムハマド・ユヌス氏の始めた貧困者向け銀行のルポタージュ。貧困女性の立場からの報告は、とても勇気づけられます。
【植物】家庭菜園
 家庭で野菜などを植えること。四季の移ろいを感じるには良い趣味と思います。

 仕事がら、金融関係の本をよく読みます。が、グラミン銀行の名前を知ったのはつい最近のことです。メガバンクでも、10年前は”どこだったっけ?”な世の中ではありますが、グラミン銀行は日本の銀行ではありません。また、サブプタイムで話題のアメリカや、ヨーロッパの銀行でもありません。グラミン銀行はバングラディシュ(*1)にある、マイクロクレジットと呼ばれる貧困層を対象にした無担保融資を行う銀行です。

 バングラディシュといっても知らない人も多いでしょうし、知っていても”貧しい国”(*2)ぐらいしかイメージがないかも知れません。で、なんでこのような話をしているかというと、グラミン銀行の決めている貧困の定義(*3)に、”家庭菜園がある”という項目があったからです。
 人口の60%以上が農業の国なので、生活の為に野菜を育てているんでしょうが、この定義でいくと、日本人はほとんど貧困なのでしょうね。ほとんどの人がマンションのベランダでプランターの野菜ぐらいしか植えられない日本は、いかに”地に足がついていない”生活をしてるのかと思ってしまいます。気持ちがあっても趣味として家庭菜園すらできないのは、思っているほど豊かな生活なんだろうかね?

 ”金融支援でXX兆円”のニュースに”なんだかな~”と思っている人にはお勧めです。お金のありがたみを再認識できます。

《脚注》
(*1)バングラディシュ
   旧東パキスタン。首都はダッカ。
(*2)貧しい国
   一人当たりのGDPは1,900ドル(2003年)。
   ちなみに日本は34,023ドル(2007年)で、日本の約5.6%。
(*3)貧困の定義
 1.トタン屋根のある家をもつ
 2.家族全員にベットがある
 3.安全な飲み水が手に入る
 4.衛生的なトイレをもつ
 5.就学年齢に達した子供が全員学校に通える
 6.冬用の暖かい衣料が十分にある
 7.蚊帳がある
 8.家庭菜園がある
 9.生活がどんなに苦しいときでも食料不足にならない
10.家族の大人の働き手全員が十分に収入を得られる機会をもつ

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