コンプガチャの問題点って、お金がヴァーチャル化してるからじゃないかなぁ(電子マネーの衝撃/オダマキ)

 ども、昔ガチャ(*1)にはまっていた、たいちろ~です。
 50歳過ぎのおぢさんが胸を張って言える趣味ではないでしょうがコンプしても3~4000円ぐらいなので(*2)、まあお小遣いで遊べるレベルのシロモノです。
 で、最近話題になっているコンプガチャですが、ゲームをまったくしないのでよくはわかりませんが数万円にもなることがあるんだとか
 ”ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会”(そんなんあったんかい?!)がガイドライン(*3)を作って自主規制に乗り出すそうですが、別にこういった”何かを集める”って趣味は別に今に始まったことじゃないんだろうになぁ
 おぢさん世代の仮面ライダーカードとかビックリマンシールとか(*4)、青年なら遊戯王なんかのカードゲームとか(*5)、世代によってトラウマあると思うんですが・・・


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所のオダマキです。


【本】電子マネー革命(伊藤 亜紀 講談社現代新書)
 サブタイトルは”キャッシュレス社会の現実と希望”
 ポイント集めに熱狂する猛禽類の妻と草食系の夫が織り成す電子マネーのメリットとリスクを解説した本。初心者にはよくわかる解説ですが、シチュエーションがちょっと笑えん・・
【花】オダマキ(苧環)
 キンポウゲ科オダマキ属の総称。名前の由来は機織りの際に麻糸をまいたものに似てるから。
 花言葉は”必ず手に入れる”、”断固として勝つ”、”愚か”など。


 コンプガチャが問題化しているのはアイテムを集めるのにかかる課金が高額になっているからだそうですが、それだけかなぁ。
 コンプガチャに限らず、当てモンでコンプリートをするには確率的にお金がかかります。詳しい計算式は省きますが(すいません、説明できないだけです)、計算サイト”ke!san"の"お菓子を何個買ったら、おまけに付いているカードを全種類集められるか?"を使って1ケ300円のガチャを6ケコンプする確率とかかるお金を計算すると

  購入数   実現する確率     かかるお金
   6ケ   1.5432098765432%   1,800円
  10ケ  27.181212848651 %   3,000円
  13ケ  51.385819404224 %   3,900円
  35ケ  98.98523141671 %  10,500円
 
 になります。つまりだいたい4,000円使えば50%の確率で、1万円なら99%の確率でコンプできるわけですが、ただしこれは”すべてのアイテムが同確率で出現する”という前提での計算。これがもっと出現確率の低いレアアイテムが混ざっていたりするとその計算は超難関大学の入試に匹敵する難しい問題になります(*6)。
 この計算のミソはどれだけ購入しても絶対100%にはならないこと。レアアイテムが混ざると、さらに分が悪くなります。

 まあ、ちょっと考えるとそこそこお金がかかることはわかるはずです。わかってても止まらないのは、お金を使ってでも勝ちたい気持ちもあるんでしょうがお金そのものが”見えなくなってる”からじゃないのかと。
 仮面ライダーカードの場合”おかんのサイフ”という鉄壁の防衛ラインがあるので、そんなに多額のお金を使えませんでした。”ガチャ”の場合はおサイフの中の100円玉の数(両替機があっても1,000円札の枚数)が物理的な上限として存在するし、お金を入れるときにちょっと逡巡するので、そんなにむちゃくたの金遣いってのは難しい。
 でも、ネットゲームだと目の前にお金があるわけじゃなし、モノによっては後払いだから今すぐに痛みを感じるわけじゃなし、金額はデジタルに存在するだけだしと精神的な規制が働きにくいんじゃないかと。

 ”電子マネー革命”によると電子マネーは媒体(おサイフケータイを含む)にお金をチャージするタイプとサーバー上にデータのあるタイプ(サーバ管理型電子マネー)があるそうです。2010年に施行された資金決済法には電子マネーを

  証票、電子機器その他の物に記載され、
  又は電磁的方法により記載される金額に応ずる対価を得て発行される
  証票等又は番号、記号その他の符号であって

  (以下略)

と記載していますが、電磁気的方法ってのは見ようによってはディスプレイに出てくる”情報”に過ぎないし、使い終わったあとに紙で出てくる請求書だけだし。伝票なんか、いくらの金額が書いてろううが使っちゃっってるので”後の祭”です。
 まあ、カードで買い物して引き落としの金額に青くなってる金遣いの荒いお嬢さんと構造的には同じです。

 別にゲームをやりたい人はやりゃいい話ですが、アイテムを”必ず手に入れる”ためにお金をじゃぶじゃぶ使ってゲームビジネスにクルクルお金を巻き取られるってのも”愚か”なことではあるんでしょうが。
 でもコンプガチャを規制するよりも、急速に普及する電子マネー(*7)に対するリスクセンシティブになるような教育なり社会的な感覚を磨くなりするするほうが重要なんじゃないかなぁ・・・

 などと、目の前に届いたカードの請求書を見てため息をつきつつ、おぢさんは思うのであります。


《脚注》
(*1)ガチャ
 正式名称は”カプセルトイ”。別名の”ガチャポン”はバンダイの商標登録だとか。
 ちっちゃなフィギュアとかストラップとかが100~300円。だいたい6~7個でコンプ(コンプリート 全部集める)します。
(*2)コンプしても4~5000円ぐらいなので
 4ケぐらい集まると、足らずは近所のそういうのを売ってる店で買ってました。
 経済合理性を考えると多少割高になってもムリをしない買い方かと。
(*3)ガイドライン
 コンプガチャの定義は
  特定の2つ以上の異なるアイテムを全部そろえることを条件に
  別のアイテムを提供する方式

 だそうです。ゲームをせんのでよくわからん・・・ 発表資料はこちらから
(*4)仮面ライダーカードとかビックリマンシールとか
〔仮面ライダーカード〕
 カルビーの”仮面ライダースナックについているおまけ欲しさにスナックを買った子供がカードだけを取ってスナックを捨ててしまう”という現象が起こり社会問題化。1972~3年頃です。
〔ビックリマンシール〕
 ロッテの”ビックリマンチョコのおまけのシール欲しさにチョコを買った子供がカードだけを取ってチョコを捨ててしまう”という現象が起こり社会問題化。財力にものを言わせていいおとなが”大人買い”してさらに問題に拍車をかけました。1980年代後半の頃です。
(*5)遊戯王なんかのカードゲームとか
 名前は忘れましたが、5枚だかそろえると無敵の巨人になるカードとかがあってハンパない価格で取引されてたような・・・
(*6)超難関大学の入試に匹敵する難しい問題になります
 私が浪人していた30年近く前に、京都大学の数学の入試問題にこの”歪んだサイコロ”の確率を計算する問題が出ました。解説を読みましたがでんでん理解できませんでした・・・
(*7)急速に普及する電子マネー
 日銀統計によると、最近でこそ伸びは鈍っているものの、2011年6月には月間決済金額1,637億円、決済件数1億9,400万件のピークを記録したそうです。(日本銀行決済機構局 最近の電子マネーの動向について 2011年。詳細はこちらから)
 こうなってくると、マネーサプライのM2+CD(現金、預金及び譲渡性預金)にも影響が出てくるんではないかと。

 

推理の鮮やかさではなくて、お嬢様を罵倒することが受けてる理由ではないかと推理します(謎解きはディナーのあとで/バラ)

 ども、だれか部屋の掃除をしてくんないかな~と思っているおぢさん、たいちろ~です。
 かなり部屋の中に本がたまってきたので整理をしたいんですが、忙しくてままなりません。そうなってくれる財力にものを言わせてお片づけをしてくれるメイドさんか執事が欲しくなります
 この歳でメイドさんはいかがなものかと思いますが(*1)、執事さんは良いなぁ。
 気分だけでもということで”執事喫茶”というものがあるそうですが、行ってみたいなぁ、これは。
 ということで、今回ご紹介するのは執事が出てくる推理小説”謎解きはディナーのあとで”であります。


Photo

写真はたいちろ~さんの撮影。近所のカリフォルニアローズです。


【本】謎解きはディナーのあとで(東川篤哉 小学館)
【本】謎解きはディナーのあとで2(東川篤哉 小学館)
 国立署の新米警部にして大金持ちのお嬢様である”宝生麗子”と彼女に使える毒舌執事の”影山”のコンビが事件を解撤するというユーモア本格ミステリー。といっても、解決しているのは影山の方ですが。
 2011年度の”本屋大賞”1位にして、2011年に櫻井翔、北川景子の主演でテレビドラマ化。
【花】バラ(薔薇)
 バラ科バラ属のの総称。”綺麗なバラには棘(とげ)がある”というように、美しい半面、危険のある花の象徴としても使われます。
 棘が出来た理由として体を保護するほかに、棘が引っかかって巻きつきやすくなるというメリットもあるみたいです。


 この本のキーワードをまとめると”富豪刑事”、”執事”、”安楽椅子探偵”。で、ちょっと細かく見ていくと

〔富豪刑事〕
 要するにちょ~お金持ちがなぜだか刑事になってる人。なった理由はさまざまですが何にお金を使うかで2パターンに分かれるかと

①事件解決にお金を使うお金持ち
 代表例が本宮ひろ志の”俺の空 刑事編(*2)”に登場する安田一平。
 安田財閥の御曹司という超大金持ちで、死体を捜すためにアメリカの超高層ビルを買うわ、犯人を追い詰めるために”私設警察”を作っちゃうというハンパじゃない大金持ち。ただし、刑事としては優秀。
②ライフスタイルとしてのお金持ち
 代表例が田中芳樹の”薬師寺涼子の怪奇事件簿(*3)”に登場する薬師寺涼子。
 ドラキュラもよけて通るという”ドラよけお涼”の二つ名を持つ絶世の美女にして、アジア最大の警備会社”JACES”の社長の娘という大金持ち。ただし、刑事としては優秀。
 薬師寺涼子は事件解決にお金を使うことはあんまししませんが、生活はとってもセレブ。
 この人にはマリアンヌとリュシエンヌという美少女スーパーメイドさんがいますが、この二人はご主人さまに毒舌をはいたりしません。

 で”謎解きはディナーのあとで”に登場する宝生麗子は後者。ライフスタイルはセレブだけど、刑事としては、執事の影山から

  失礼ながらお嬢様--- この程度の真相がお判りにならないとは、
  お嬢様はアホでいらっしゃいますか

 と毒舌をはかれるレベル。

〔執事〕
 ”執事”のイメージといえばおぢさん世代ならバットマン(*4)に登場する”アルフレッド”でしょうか。この渋い初老のおぢさんはバットマン=ブルース・ウェインに仕える執事にして人生の師でもあります。もちろん、主人に対して諌めることはあっても、毒舌なんかは吐きません。
 で、この人と能力的にはタメをはれても人格的には???なのが本書に登場する執事の”影山”。その推理力や特殊警防を使った立ち回りとかだとかバットマンのパートナーでも勤まりそうですが、ちょっと間違ってたりするとボロクソ言っちゃいそう。

  失礼ながらお嬢様、やはりしばらくの間、引っ込んでいてくださいますか
   (中略)
  しかしながら、わたくしといたしましては、
  お嬢様のせいで新たな冤罪事件が増えますのを、
  黙って見過ごすわけにはまいりません

 これは、諌めるというより罵倒に近いんではないかと・・

〔安楽椅子探偵〕
 オビに”本格ミステリー”と書いてあるように、本書を分類すると”安楽椅子探偵モノ”になります。影山本人も2巻で現場に行くのは安楽椅子探偵モノのルール違反だといってるし。まあ、現場に出ている(居合わせている)話もありますが。
 推理小説としてみるとこれは”ハウダニット(*5)”でしょうが、印象でいうと探偵というより”涼宮ハルヒの憂鬱”の古泉一樹(*6)に近いかな、聞いた話や状況を元に”ありうる状況に合理的な説明をつける”という意味では。それに毒舌こそはかないものの、たえず敬語を使ってるとことか。もし”謎解きはディナーのあとで”をアニメ化することがあれば、ぜひ声優は同じ”小野大輔(*7)”にやって欲しいものです。

 推理のレベルから言うと、薔薇の花壇に死体が置かれている話を聞くだけで

  こんな簡単なこともお判りにならないなんて
  それでもお嬢様はプロの刑事でございますか。
  正直、ズブの素人よりレベルが低くていらっしゃいます

 と言い切るだけあって相当なもの。
 でも、ちょっと気になるのは本書に登場する犯人があまりにも冷静で合理的な行動をとってること。おそらく殺人を犯した後というパニックを起こしても当たり前の状況で不測の事態が発生してるにも関わらず、その隠蔽にとっても合理的な行動をとっています。まあ、だからこそ合理的な帰結を推理できるわけですが。

 どうも、本書を楽しむポイントってのは推理小説としてのトリック云々を鮮やかに解決するってとこではなくて、使用人である執事が主人である美しく大金持ちのお嬢様を罵倒するってとこではないかと推理いたします。
 出来の悪い上司を優秀な部下がボロクソに言うっていうカタルシスみたいなモンかと・・・

《脚注》
(*1)この歳でメイドさんはいかがなものかと思いますが
 テレビでメイド喫茶の話題をやっていますが、さすがに引きますねぇ。
 娘と変わらん歳のお嬢さんに”萌え萌え、キュン♡”とか言われても・・・
(*2)俺の空 刑事編
 刑事編の初出は1980年に『週刊ヤングジャンプ』に掲載。
 2011年にテレビドラマ化されました。
(*3)薬師寺涼子の怪奇事件簿
 初出は1998年講談社ノベルスから書き下ろしにて。
 推理小説というより、怪奇小説です。
(*4)バットマン
 アメリカンコミック”バットマン”に登場するスーパーヒーロー。
 アルフレッドはというとウェイン家の一切を取り仕切るは、バットケイプ(秘密基地)や秘密道具の開発維持をこなすわ、情報分析のお手伝いをするはのスーパー執事さん。
 こんな人、部下に欲しいわ~~
(*5)ハウダニット
 Howdunit = How (had) done it
 どのように犯罪を成し遂げたのか、つまりトリックを破ることで犯人を特定することがメインの推理小説。
 ちなみに、誰が犯人なのかを推理するのが”フーダニット (Whodunit)”、なぜ犯行にいたったのかを推理するのが”ホワイダニット (Whydunit)”です。
(*6)古泉一樹
 ”涼宮ハルヒの憂鬱”に登場する謎の転校生にして超能力者。
 ちなみにこの人には執事の新川さんと、メイドの森さんという仲間がいます。
(*7)小野大輔
 と思って調べてみたら、この人は”黒執事”というアニメで”セバスチャン・ミカエリス”という執事役をやってました。考えることは同じなようです。

ツバメが来ないのは環境のせいだったら良いんだけど・・・(日本沈没/ツバメ)

 ども、ツバメ返しはできないけどちゃぶだい返しならできるおぢさん、たいちろ~です(*1)。
 5月11日の日経新聞の”春秋”を読んでましたら最近ツバメが来ていないという話題がでていました。なんでも日本野鳥の会(*2)が調査をするとのこと。
 確かに、最近ツバメって見ませんねぇ。昔は家の軒先のツバメの巣を時々見ましたが、今はないですねぇ。マンション生活が長いせいだと思ってましたがツバメそのものが減少しているとのこと。
 野鳥の会の分析では、水田や耕作地の減少によるエサ場の減少、巣作りに適した日本家屋の減少などを理由として挙げていますが、確かにそうなんでしょうね。
 でも、そんだけかな~とちょっと不安になりましたということで、今回ご紹介するのは小松左京の名作”日本沈没”であります。


Photo

 写真はPHOTOSTOCKERのHPより。餌付けをするツバメです。


【本】日本沈没(小松左京 小学館文庫)
【DVD】日本沈没(原作 小松左京、主演 藤岡弘、小林桂樹、東宝)
 地球物理学者である田所雄介博士は、地震の観測データから日本列島に異変が起きているのを直感し、一つの結論に達する。それは「日本列島は2年以内に陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものだった・・・
 原作は1973年に発刊。映画版は2006年にリメイクされてますが、今回のネタは1973年版。こっちのがオススメです。
【動物】ツバメ(燕)
 スズメ目、ツバメ科に属する鳥類。全長は約17 cmと小柄ですが、夏は日本で繁殖し、冬は台湾、フィリピン、ボルネオ島北部などで越冬するという東南アジアをまにかけるインターナショナルな鳥です。


 で、なんで”日本沈没”なのかと言うと、この話の中でツバメがいなくなった話題が出てるんですね。
 物語の前半で、渡老人という政財界の黒幕みたいなじぃさんが、地球物理学者の田所雄介博士にこんな質問をするシーンがあります。

  渡老人 :子供のようなことを聞くと思うかもしらんが、
        この老人に、ひとつだけ気がかりなことがある。--つばめじゃ。
  田所博士:つばめ?
  渡老人 :そうじゃ。-- わしの家の軒先に、毎年つばめが来て巣をかける。
        もう二十年来のことじゃ。
        それが、去年、5月に来て巣をかけ、どういうわけか、
        七月になるといなくなってしもうた。生まれたばかりの卵をおいてじゃ。-
        そして今年はついに来なかった。
        わしの家の近所でも、そうじゃ。--これは、どうしてかな?
         (中略)
        いったいどうしたんじゃろう? ・・何かの前ぶれかな?
  田所博士:何ともいえまえん。まったく、何ともいえないんです。
        --私自身も、その何かをつかもうと思って、必死になっているのですが。

 この後、科学者にとって大切なものは何かという議論になるんですが、この会話がその後”D計画”という日本人の大脱出計画のスタートにつながっていく重要な場面です。
 本来なら”ツバメが何故いなくなった”という質問を地球物理学者にするってのもヘンですが、渡老人にも何か思うところがあったんだろうと。ことほどさように、”予兆”ってのはなにげないことの中にもあってそれを感じとる人にとって初めて重要な情報になるんでしょうねぇ。

 日本野鳥の会の調査は環境変化によるツバメへの影響っていう観点のようだし、日経新聞もその論調になっていますが、逆にいうと、このエピソードを覚えている世代にとってそれだったらまだ良いのかななんて思ってしまいます。

 大ベストセラーになったとはいえ、よもや30年近く前の小説の1シーンを覚えてる人がいて、その人が政府の秘密組織にいて、野鳥の会を隠れ蓑にが調査を始めて・・・ なんてフィクションの世界だったら面白いですが、現実だったら考えるとけっこう怖いです。
 東日本大震災の後ですし、相変わらず地震の続いている地域もありますから、ツバメの話がきっかけだろうが何だろうが今後のことがはっきりした方がいいなぁ。

 で、もしほんとに日本が壊滅的な状況になるんだったら、日本人はツバメのように全世界に渡っていくことができるんでしょうか・・・

《脚注》
(*1)ツバメ返しはできないけどちゃぶだい返しならできる~
 ちゃぶだい返しは星一徹の、ツバメ返しは佐々木小次郎の必殺技。
 ”仏壇返し”というアダルトビデオの必殺技もありますが、下品なのでやめました。
(*2)日本野鳥の会
 ”自然にあるがままの野鳥に接して楽しむ機会を設け、また野鳥に関する科学的な知識及びその適正な保護思想を普及することにより、国民の間に自然尊重の精神を培い、もって人間性豊かな社会の発展に資することを目的とする”ための公益財団法人。(野鳥の会のHPより)
 ”消えゆくツバメを守ろうキャンペーン”のページはこちらから。

当てずっぽうを”WAG”と言ったらちょっとカッコイイかも(パトリオット・ゲーム/パトリオット・ミサイル)

 ども、愛国心とは程遠いい~かげんなおぢさん、たいちろ~です。
 某国からロケットだかミサイルだかが発射されてぼちぼち1ケ月が過ぎようとしています。発射後約1分で空中爆発し洋上に落下ということですが、政治ショー的な役割もあったようで、責任者が粛清されていないかが心配されてます(*1)。
 で、問題になったのは”これがロケットかミサイルか”ということですが、原理的にはこの2つに差はないんだそうです。あえて言えば平和利用っぽいのが”ロケット”で兵器っぽいのが”ミサイル”ぐらいかな。でも、”ロケット・パンチ(*2)”なんてのもあったしなぁ。
 ま、ミサイルと言えば”パトリオット”ということで、今回ご紹介するのパトリオットの名を冠する小説”パトリオット・ゲーム(愛国者のゲーム)”であります。
 つまらんネタフリですいません。


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 写真は~たいちろさんの撮影。2010年に海上自衛隊横須賀基地のサマーフェスタで展示されていたパトリオットミサイル発射車(LS LaunchingSattion)”JM902”です。


【本】愛国者のゲーム(トム・クランシー 文春文庫)
【DVD】パトリオット・ゲーム(パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン)
 海軍兵学校教官”ジャック・ライアン”は、ロンドンでの休暇中に偶然IRA(アイルランド共和軍)の分派であるULAのテロから英国皇太子夫妻を救う。しかし、ULAの政治的な思惑から彼と彼の妻子がテロの標的となる・・・
 ”レッド・オクトーバーを追え!(*3)”に登場したCIA分析官のライアンがCIAに入局するきっかけとなった事件をあつかった小説。
 映画版ではハリソン・フォードがライアンを好演。メインストーリはそのままで、ディテールはかなり変更した内容になっています。
【兵器】パトリオット・ミサイル
 米レイセオン社がアメリカ陸軍向けに開発した広域防空用の地対空ミサイルシステム。 射程範囲は20~35kmと以外と短いです。そのせいか以外と小型で長さは5.2m程度。
 ”Patriot”は日本語で”愛国者”の意味。”パトリオット”と読んでますが発音は”ペイトリオット”に近いんだそうです。上記車輛の解説では真ん中をとってか”ペトリオット”になってました。


 さて、ライアンの妻と子供がアメリカでテロに襲われるかどうかで、CIA,FBI、ロンドン警視庁あげて情報合戦とテロ対策を行う訳ですが、合理的な回答はNo。
 理由としては、

  ①アメリカでテロを起こせばテロ資金集めが難しくなる
  ②過去にアメリカでテロを起こしたことがない
  ③ライアンへの復讐は私事でありプロらしからぬ行為である

 でも、ダン・マりーという老巧なFIB捜査官のカンに従って対策をすることになります。その場にいたアメリカ海軍少佐ロビー・ジャクソンとこの話を告げに来たFBI対テロ専門家ビル・ショーとの会話

  ロビー:数学ではそれを帰納的推理と呼びます。
      特定の証拠から演繹的に導くのではなく、結論を推断するやり方ですな。
      エンジニアリングでは、われわれはWAGと呼んでいますよ
  ショー:ワグですと?
  ロビー:当てずっぽう(ワイルド・アス・ゲス)ですよ

 なかなかしゃれたツッコミです。ここでの”ワイルド・アス・ゲス”は

  Wild Ass Guess

 ちゃんと訳すと”ばかげた当て推量(*4)”ぐらいの意味でしょうか。

 実際にダンもショーもこのテロが発生する可能性を示す証拠は何もないと言ってますが、ロビーは

  たいていの作戦情報資料がそうですが---
  有益な情報と悪い情報の区別がつくのは、後の祭りになってからのことです

 とダメ押ししています。

 ストーリーを結果論として言えばライアンの妻と子供はテロに襲われるわけですが、これはゲームのルールが違ったから。①はULAがIRAにダメージを与えるという内部分裂があってちゃら、②はその手段として有効だから、③は映画版ではほとんど私的な恨みだけで行動するテロリストが暴走しちゃってます。

 スポーツや、囲碁などのようにルールが厳密に適用されるのであれば別ですが、現実社会では暗黙のルールとか、過去の傾向からルールを想定するないうことのほうが多いんではないかと。結局のところ、社会で起こっているものごと=ゲームってのは、かなりあやふやなルールで成り立ってるんでしょうね。だから、時としてルールを飛び越えた経験者のカンってのが真実に一番近かったりして。
 もっとも見立て捜査(*5)をする危険ってのもありますが・・・

  1989年 ”愛国者のゲーム”発行(日本)
  1991年 湾岸戦争ではパトリオット・ミサイルが実戦使用
  2000年 映画”パトリオット・ゲーム”公開(日本)
  2001年 アメリカ同時多発テロ事件、世界貿易センタービル崩壊

 2001年の同時多発テロ事件の時に”事前に諜報機関はテロを察知できなかったのか?”ってな話が出てましたが、よしんば情報をつかんでいて”テロ犯が飛行機を4機同時にハイジャックして世界貿易センタービルやペンタゴンに突っ込む”なんて報告してもだれも信じなかったんじゃないのかなぁ。ハイジャック防止強化とかの対策はとっても、それまでのゲームのルールからして実現するなんて誰も想像できなかったと思います。

 余談ですが、1989年に発行された本の表題は”愛国者のゲーム”ですが、2000年の映画では”パトリオット・ゲーム”に変わっています。これは、それまであまりなじみのなかった”パトリオット”という言葉が、湾岸戦争でパトリオット・ミサイルが使用されてニュースで流れて一般的に使われるようになった後に映画が公開されたからではないかと。
 当て推量ですけどね。

《脚注》
(*1)責任者が粛清されていないかが心配されてます
 岡田斗司夫だったかが書いてましたが、”悪の秘密結社が作戦失敗のたびに責任者が粛清されてるが、そんなことしてたら人材があっというまに払底”します。
 たとえば宇宙探査機”はやぶさ”の場合、責任者の的川泰宣名誉教授は70歳と50年近くロケット研究をしてるわけで、人件費だけでも億単位の費用がかかっているはず。そんな有為な人材をあっさり粛清してたらコスト的に引き合いません。
(*2)ロケット・パンチ
 永井豪の漫画”マジンガーZ”に出てくる腕が飛んでって相手を倒すという武器。中年のおぢさんなら超合金シリースのおもちゃで遊んだことがあるはずです。
 ちなみに、腹部から発射する”ミサイルパンチ”という”どこにそんなもんが入ってるんや!”とつっこみたくなる武器もありました。
(*3)レッド・オクトーバーを追え! (トム・クランシー 文春文庫)
 ソ連の最新鋭ミサイル原子力潜水艦”レッド・オクトーバー”が処女航海で突然行方をくらました。艦長ラミウスの意図は? その謎を追うCIAのアナリスト、ジャック・ライアンは?
 1985年に発売されベストセラーとなった海洋冒険小説。詳しくはこちらからどうぞ。
(*4)ばかげた当て推量
 Ass:(名詞)ばか、とんまなどの意味。
     Make an ass of~ で”~を馬鹿にする”
 Guess:(動詞)推測する、(名詞)推測、推量、憶測
     Make a wild guess で”当て推量をする”
(*5)見立て捜査
 民主党の小沢一郎元代表の政治資金規制法違反(収支報告書の虚偽記載)罪の判決では「検察官は事件の見立てに沿う供述を獲得することに力を注いでいた」と批判されて、この言葉が話題になりました。
 4月26日に無罪判決が出て、5月9日に指定弁護士が控訴してとまだどたばたが続きそうです。

スマホのささやきに身をゆだねれば間違いはない、かな?(モバイルパワーの衝撃/ささやき/ビクターの犬)

 ども、スマホではなく携帯電話のユーザのおぢさん、たいちろ~です。
 家では娘が就活に向けてそろそろスマホに変えようかという話が出ています。私については奥様から”新しモン好きのくせにナゼにスマホに変えないのか?”という質問が出ていますが、端的に言って機種変更がメンドウなだけなんですが・・・
 スマホにすると便利そうなのは確かなんですが、まあ他の理由としてはスマホにするとツイッターやFacebookにハマりそうで(*1)、それでなくても少ない読書時間が減っちゃいそうだからであります。


His_masters_voice


 写真はWikipediaより。グラモフォン(円盤型蓄音機)を覗いているニッパー(犬)の絵です。


【本】モバイルパワーの衝撃(辻村 清行 東洋経済新聞社)
 筆者はNTTドコモ代表取締役副社長というスマホを売っている人。
 サブタイトルが”スマートフォン時代の事業モデル革命”とあるように、スマホの機能というより”スマートフォンでどんなビジネスが出来るか?”という内容を中心にまとめたビジネス書です。
【本】ささやき(星新一 新潮文庫)
 5年ぶりに火星から帰ってきた男。友人がパーティを開いてくれるとのことだが、自信のない男はR万能サービス社に助けを求める。すると小型のイヤホンが送られてきて・・・
 ”ショートショートの神様(*2)”星新一の1編。
 ”おせっかいな神々”(新潮文庫)に収録。
【動物】ビクターの犬
 イギリスの風景画家マーク・ヘンリー・バロウドが病死したさい、彼の飼っていた犬を引き取った弟の画家フランシス・バラウドが、亡き飼い主の声が聞こえる蓄音機を不思議そうにのぞき込むニッパーの姿を描いたもの。一般には”His Master’s Voice(*3)”としてビクターのマークに使われている事で有名。


 で、最近読んだ本に”モバイルパワーの衝撃”というのがあります。この本によるとスマートフォンや携帯電話の何がすごいかというとこれらの持っている5つの特性

 ①本人性     :携帯電話の所有者が特定できる
 ②常時性     :常に携帯して活用している
 ③位置の特定性  :携帯電話の(=その持ち主の)現在位置を把握できる(*4)
 ④ネットワーク性 :簡単につながる事ができる
 ⑤リアルへの拡張性:インターネットの世界とリアルな世界をつなげる事が出来る

 によるものだとか。これによってビジネスがどう変わるかというと

 1)個客の見える化
 2)個客ニーズの顕在化
 3)商品・サービスのマイクロ化
 4)商品・サービス提供の適時化
 5)商品・サービス提供チャネルのポータブル化

 詳細は本書を読んでいただきたいんですが、どんなことができるかを本書から引用すると、

  ドコモが俳優の渡辺謙さんを起用したスマートフォンのCMで描いているように、
  常にかたわらに寄り添い、困った時にはアドバイスをささやき、
  道に迷ったら地図データを開くように必要な情報を提供する姿は、
  まさにケータイの特性を象徴的に表したものであり、
  だからこそリアルな現場にも入り込めるのである。




 で、これを読んでてふと思い出したのが、星新一の”ささやき”というショートショート。読んだのはたぶん中学か高校の時だったはずですが、こんな内容。

  男はR万能サービス社から送られてきたイヤホンをつけてパーティに出席する。
  パーティでは、イヤホンからのささやきに従って行動したところ
  とてもスムーズに会話もはずんだ
  翌日にR万能サービス社にお礼に行ったところ、その行動を指示していたのは
  幅の広いトラックの録音機だった(*5)。
  実はパーティに出席した友人達もその”火星帰りの人のためのテープ”に従って
  会話をしていたのだった。

 今のスマホを使って究極的にパーソナライズされたリコメンデーション(*6)が実現すると、コンピュータが作ったシナリオ通りに行動すれば最適な行動ができるはず。といってそのままに行動するんだったら(実際にしちゃうんでしょうが)、レコートから流れる主人の声に聞き入る犬とあんまし変わんないかも。星新一がこのショートショートで描いたようなブラックユーモア的なことが現実に起こりかねません。

 ドコモの副社長にしても、この本に掲載されているJR東日本、マクドナルド、ローソンなどのトップにしても、顧客の利便性とそれに伴う売り上げ増加をしたくても別にそんな社会を作りたいわけではないでしょうが、ユートピアの追求がどこかのタイミングでディストピア(*7)に転嫁しないとも限りませんし。

 てなことを考えながら、やっぱりスマホが欲しいなぁなんて思ってしまうのであります。

《脚注》
(*1)ツイッターやFacebookにハマりそうで
 最近電車の中や昼休みのレストランでしょっちゅうスマホをのぞいている人がいますが、ああなってくると中毒じゃないかと思う時があります。確かにやっている人の話を聞くと気になってしょうがないらしくはあるそうですが。
(*2)ショートショートの神様
 だいたい原稿用紙10枚以内ぐらいの小説。昔は小松左京、筒井康隆、眉村卓といったSF作家が書いていたんですが最近は見なくなりましたね。星新一が”原稿料が枚数でいくらなので、枚数の少ないショートショートは労力の割に合わない”てなことを言ってましたが原因はこのあたりかも。
 星新一は1000編以上を書いたこの分野では神様です。
(*3)His Master’s Voice
 余談ですが、レコード販売店の”HMV”はこの略だそうです。知らなんだ・・・
(*4)携帯電話の現在位置を把握できる
 本書によると携帯電話のGPS機能で誤差数メートルの範囲で位置が特定できるんだそうです。で、この機能を使って彼女が彼氏の居場所を特定できるのが”カレログ”。
 ラブラブな間柄なら便利な機能ですが一つ間違えるとネットワーク社会のストーカーに(以下自主規制)
(*5)幅の広いトラックの録音機だった
 カセットテープレコーダすら見る事の少なくなった昨今は分かりにくいネタですが、磁気テープで1つの音のつながりをある幅に当てはめているのがトラック。”幅が広い”ということは沢山の人が並行して音を聴いている事を意味します。
 このショートショートが書かれたのは1965年頃のようですので、まだパソコンもインターネットも世に出る前ですので録音機ですが、今ならきっと”ネットワークにつながったサーバ群”になるんだろうなぁ。
(*6)究極的にパーソナライズされたリコメンデーション
 ”パーソナライズ”は何かを個人の状況に合わせて変更(カスタマイズ)すること。
 ”リコメンデーション”は利用者の好みにあった物品やサービスを推薦する手法。アマゾン.comなどで”この商品を買った人はこんな商品も買っています”ってのがそれ。
 つまり、最適なサービスを個人それぞれに情報を提供するという意味ですが、こういう言葉を何気に使うのがIT産業のイヤミな所です。
(*7)ディストピア
 ユートピア(理想郷)の反対の社会。
 SFなんかだと、見た目は平等で秩序正しい理想的な社会だが実は、徹底的な管理・統制された社会で自由が奪われていたりなんかします。

«子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え(あれから/ガーベラ)

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