外部記憶装置なしにはさっぱりついて行けん会話だな(クラウド時代の思考術/狐)

 ども、広大なネットにたゆたうおぢさん、たいちろ~です。
 ”攻殻機動隊 S.A.C.(*1)”というアニメにこんなシーンが出てきます。電脳化という技術で人間の脳とインターネットがダイレクトに接続されている未来。通称”笑い男事件”とよばれるサイバーテロ事件の首謀者”笑い男”と、その事件を追う公安9課の”草薙少佐”が図書室(草薙少佐曰く”まるで情報の墓場”)で対峙する場面での会話ですが、なんせ会話に出てくるのがドアノーにサリンジャーにジガ・ヴェルトフにフレドリック・ジェイムソンに大澤真幸(*2)。後から登場した公安9課の”荒巻課長”の一言がこれ。

  さっきから聞いていたが、外部記憶装置なしにはさっぱりついて行けん会話だな

 その通りで、私もまったくついて行けませんでした。
 最近のネット技術だとダイレクトに脳と接続まではいきませんが、テキストのみならず会話や画像なんかも検索できる社会にはなっとりますが、だからといってそれが知的な会話や判断に結びつくかどうかはまた別。
 ということで、今回ご紹介するのは、クラウド化する社会と知性のお話”クラウド時代の思考術”であります


写真はたいちろ~さんの撮影。京都”伏見稲荷”で見かけた狐の絵馬です
多くの絵馬がいろいろ見つめている図はちょっと象徴的かも

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【本】クラウド時代の思考術(ウィリアム・パウンドストーン、青土社)
 ”検索”によりさまざまな情報が調べれる現代における知のあり方をまとめた本。
 原題は”Head in the Cloud:Why Knowing Things Still Matters When Facts Are So Easy to Look Up(クラウドの中の頭脳。事実を調べるのがとても簡単である時、まだものを知っていることが重要ですか
 邦題で見るとなんかのノウハウ本のようですが、これはミスリードじゃないかなぁ
【動物】
 ネコ目イヌ科イヌ亜科の一部。狭義にはキツネ属のこと。
 本書ではキツネを”さまざまな要素を取り入れる折衷主義者で、多くのアプローチに開かれていて、矛盾をこともなく容易にこなすことができる”象徴として出てきます。(これに対するのが”ハリネズミ(*3)”)


 本書から面白かったトピックをいくつか

〔無知の人は自分の無知を知らない:ダニング=クルーガー効果〕
 ”ダニング=クルーガー効果”というのは心理学者のダニング教授と大学院生のクルーガーが1999年に発表した”未熟さと無知 自分の無能力を認識できないことが思い上がった自己評価を導く”という実も蓋もない論文によるもの。簡単に言うと

 知識や技術にもっとも欠けた者の特徴は、知識や技術の欠損をまったく理解できない
 獲得点数の低い人は高い自己評価をし、高い人は低い自己評価をする

というもの。確かに知らないということを知らなければ”自分は知ってる”と勘違いすることもあるんでしょが、予想以上の結果だったとか

〔知識がある人のほうが所得が高い傾向がある(但し書き付き)〕
 質問事項にもよりますが、知識を豊富な人々はたくさんのお金をかせぐんだとか。
 いろんなパターンで実証してみるとそんな傾向があるようで、同じモデル(パターン)の人で比較したケースでは倍ほど違うなんてのが記載されてます
 これは、知識のある人のほうがない人よりさまざまな質問に対してクリエイティブな解決策を導き出せるからとか、お金の扱いを学んでいるとかなんて理由が指摘されています。

〔相関関係と因果関係は違う〕
 上記の但し書きがこれ

  相関関係は因果関係を証明していない
  相関関係の欠如を因果関係が間違いであることを証明する

というもの。上の例だと知識があることが理由で裕福になっている可能性以外に、裕福だと余暇の時間が十分にあるのでニュースを観たり本を読んだりできるので知識が豊富とか、親が裕福(第三の理由)で子供が金持ち、知識があるという理由も推察されています。
 概して統計データってのは事実は同じでも解釈が違ったりするんで、このへんもちゃんと突っ込んでいるのが好感できます。

〔学ぶことの意義:グーグル効果〕
 覚えておかなくてもアーカイブで保存できる(グーグルみたいの)だと非常にしばしば忘れ去られてしまうってこと。まあ”検索すりゃかわる”と思えばいちいち記憶しようなんて思わないのもわかりますが。
 受験生時代(はるか昔ですなぁ)だと、まず”覚えること”が山ほどあったんで、”なんでこんなこと覚えにゃならんのだ!、これを覚えてなんの得があるんだ!!”と思ったもんですが、今の若い人ならなおさらでしょうなぁ。
 知識を身につけるためにかかるコストが、知識を身につけたことによる利得を上回ることはままあること(てか、ほとんどの知識ってそうじゃね?)。まあ、覚えなきゃ受験に合格はしないんですけどね・・・ 本書でもロンドンのタクシードライバーが仕事に付くために要求されるテストがGPSナビにとって代わられるなんて話が出てきますが、クラウド化すりゃますますこのアンバランスが拡大するんでしょうね

〔学ぶことの意義:学習はすぐれた脳の機能を生み出し、より高い所得をもたらす〕
 上記に対しての救いの言葉(かな?)がこれ
 知識と所得の相関関係について考えられる説明として

  学習が認識能力を改善するということだ
  この能力はほとんどどんな仕事―― 一生従事する職業も含めて ――にも役に立つ
  学習はすぐれた脳の機能を生み出し、より高い所得をもたらす

ってのが書いてます。ちょっとは気休めになりますか、受験生のみなさん

〔キツネのように幅広い一般知識の取得を第一とする哲学は逆風に。だが・・・〕
 本書の最終章には、キツネのように幅広い一般知識の取得を第一とする哲学は逆風にさらされていて、ハリネズミのような大きな概念に関連づけるやり方のほうが支持されているてな記述があります。なぜなら情報はクラウド(ネット)にあって必要に応じて利用できるから。本書の結論としてはこれではダメなんだとか。これは情報をきちんと持っていることは、その文脈についても情報をもっているということ。

  それ(文脈)は、個々のものの評価を可能にしてくれ
  われわれが知らないことに、きわめて重要な洞察を与えてくれる全体への展望だ

 まあ、ブチブチの情報だけではなくって、全体の流れを含めた情報や認識能力がなきゃ、ネットにつながってるだけじゃ不十分ってことなんでしょうかね

 まあ、冒頭の笑い男と草薙少佐の会話もみたいに電脳空間にダイレクトにつながってなけりゃ成立しそうにないってのもありますが、これって単なる知識のひけらかしじゃないんですね。

  草薙少佐:それは経験から導きだされた貴方の言葉?
  笑い男  :Yes

 ネットと検索がはびこる世の中、この質問ってより重要になるんでしょうね、きっと

《脚注》
(*1)攻殻機動隊 S.A.C.(原作 士郎正宗、監督 神山健治、バンダイビジュアル)
 正式名称は”攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX”。現代のネットワーク社会が究極進化するとこうなりそうな未来社会を描いたSF。テレビ版は全26話ありますが、160分にまとめた総集編”攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man(バンダイビジュアル)”もありますので、初めての方はこちらをどうぞ。上記のセリフは総集編版のです。
(*2)ドアノーにサリンジャーにジガ・ヴェルトフに~
ドアノー:ロベール・ドアノー。フランスの写真家
J.D.サリンジャー:アメリカ合衆国の小説家。”ライ麦畑でつかまえて(白水社)”など
ジガ・ヴェルトフ:ソビエト連邦の映画監督。”カメラを持った男(メディアディスク)”など
フレドリック・ジェイムソン:アメリカの思想家。”政治的無意識(平凡社)”など
大澤真幸:日本の社会学者。”ナショナリズムの由来(講談社)”など。
 すいません、どれも読んだり観たりしてません。
(*3)ハリネズミ
 ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科に属する哺乳動物の総称。
 本書では”すべてのことを、ある一つの中心となる大きな概念に関連づけるエキスパート”と記されています

山登りには星座早見盤を持って!(野尻抱影 星は周る/富士裾野演習場)

 ども、そろそろ”死兆星(*1)”が見えそうな歳になりつつあるおぢさん、たいちろ~です。
 ペンネームというのは本人の自由に付けられるので、意図的によく似た名前ってのがでてきます。まあ、オマージュの一種なんでしょうがこれが漫画みたいに絵柄が違えばすぐに気が付くでしょう。まあ、絵柄をひと目見れば山上たつひこと山止たつひこを混同する(*2)なんてことはなさそうですし。
 でも、これが文章のみとなると、読んでみないとわかんない。うっかりするとちょっと読み進めてから”あれっ?”ってことも。ましてやジャンルが同じだとなおさらのことです。
 ということで、今回ご紹介するのは、女子高生をロケットで宇宙に飛びださせたりしない方の”野尻さん”の本”野尻抱影 星は周る”であります


写真はたいちろ~さんの撮影。旧”富士裾野演習場”、現”陸上自衛隊 東富士演習場”です。

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【本】野尻抱影 星は周る(野尻抱影、平凡社)
 ”星の文人”と呼ばれた英文学者にして天文随筆家だった野尻抱影による随筆集。
活躍したのは1920年代半ばからで没年1977年と戦前戦後の時代の人ですが、今読んでも十分面白いです。
【旅行】富士裾野演習場
 富士山東麓の御殿場市、小山町、裾野市にまたがる陸上自衛隊の演習場。面積は約88㎢。行った時はどこからが演習場かわかりませんでしたが、とにかく人家もない広大な敷地だったのは確か。
 写真は2013年の”富士総合火力演習(*3)”の予行演習の時のもの。左側が標的になっている台地、右下にちっちゃく写っている戦車っぽいんは”99式自走155mmりゅう弾砲”です。こいつを始め、10式戦車多目的誘導弾だを使って実弾ぶっぱなすんですから、近くに家なんかあろうはずがございません。


 すいません、実はこの本”野尻 抱介”と間違えて借りたんですな。こっちは”ロケットガールシリーズ”、”ふわふわの泉”、”南極点のピアピア動画”(ともに早川書房)などを書いたSF作家。上記の”女子高生をロケットで宇宙に飛びださせた”のは”ロケットガールシリーズ”のことです。いや~~、最初はまったく気付かんかったんですが、読んでみるとこれがけっこう面白い。気にいったとこをいくつかご紹介。

〔宇宙の知識は変わっていく〕
 最初に違う人の本を読んでると気が付いたのが本文の中でアンドロメダ大星雲までの距離が95万光年、註で約250万光年とあったから。科学技術の発達で変わったんでしょうか。これなかったらもうちょっと先まで誤解したまま読んでたかも。
 ちなみにこの人は”冥王星”の和訳命名者だそうです。発見されたのは1930年でこのころはまだ惑星でしたが、2006年に”準惑星”に。科学の進歩がいろいろ変えてくんですな。

〔変わらないのは星の悠久感〕
 逆に星座の位置の形や星の位置は数万年たっても目立った変化はないとのこと
4000年前のミイラやギリシャの詩人ホーメロスを現代に甦らせて星を見せてもその当時とほとんど変わらないだろうという感覚って、言われてみればすごいな~~

〔望遠鏡で星を覗くのは距離を近づけるのと同じ〕
 200倍の倍率で望遠鏡を使って星を見るということは1/200だけ星の位置がこっちへ近づくってこと。あるいはこっちが地球を離れて星に近づくってこと。この感覚ってすごいな~~っと感心。だって上記のアンドロメダ大星雲だったら10万光年分ですぜ!!
 そりゃ、実際に近づくわけじゃないことは百も承知ですが、でもこれってロマンを感じませんか?

〔減っているのは星の数〕
 科学の発達で望遠鏡の倍率は高くなったかもしれませんが、逆に見える星の数は減っているみたい。野尻抱影は桜新町に住んでましたが、戦前に比べると星数がげっそり減ったと。駒沢球場(1962年に廃止。現駒沢オリンピック公園)でナイターがあると天頂までダメになるとお嘆き。ほかにも横浜の空明かりでカノープスが見えなくなったなんて話が出てきます。まあ、今の感覚から言うと桜新町あたりで夜の星が見えたってほうが驚きです。行ったことないけど(*4)。

〔山の頂でみる星が良い〕
 じゃあ、どこがいいかというと高い山の頂驚くばかり鮮やかで数も夥しいと。友人から聞いた話として、奥穂高で北斗七星の枡の中の小さい星が数えられたとか、富士の裾野へ演習に行った人が北冠座(かんむり座)で細かな星が直角三角形をなしているのを見たとかの話を紹介

 こんな星は、下界では、特に都会の濁った空では見えないのが普通である

 富士の裾野が山かどうかってのはありますが、要は回りに空を照らすような明かりがない所。ビルや民家がない広大な演習場って確かに星は綺麗にみえそうです。民間人なら山の上もそう。空気も澄んでいるんでなお良いんでしょう。私も山登りをしますが確かに山での星ってすごいんですよね!

〔山行であると同時に、時には星行〕
 ことほどさように山と星ってのは相性が良いようで、山と星の話題もいくつか出てます。そん中から下記の名言をどうぞ

  願わくばアルピニストの紀行も、山行であると同時に。時には星行出会って欲しい
  これは独り天文ファンのみからの註文ではないと思う
  かつ登山家自身が星を知ることによって登山の楽しみを加え得ることは
  おそらく予想以上だろう

 今年は夏休みで八ヶ岳に行く予定ですが、星座早見盤でも持っていきましょうかね。最近はスマホのアプリもあるみたいなんで荷物にもならなさそうだし。むしろ星観る前に酔っぱらって寝てしまわんようにしなくっちゃ!

《脚注》
(*1)死兆星
 北斗七星の脇に輝く小さな星”死兆星”が見えると死ぬという。”北斗の拳(武論尊、原哲夫、集英社)”でのフィクションだとばっかり思ってたらホントに”アルコル”というのがあって、”見えると死ぬ”、”見えないと死ぬ”という伝説が各地にあるんだとか。へぇ~~
(*2)山上たつひこと山止たつひこを混同する
 ”山上たつひこ”は”がきデカ”、”喜劇新思想大系”などで一斉を風靡した漫画家。”山止たつひこ”は”こちら葛飾区亀有公園前派出所”の作者”秋本治”のこち亀連載開始当時のペンネーム。実際に100話まではこのペンネームだったとか。まあ、40年以上前の話ですけど。
(*3)富士総合火力演習
 東富士演習場で行われる陸上自衛隊の演習の一つ。実弾をぶっ放す戦車が走りまわり、戦闘ヘリが飛び回りとその手の好きモン垂涎のイベント。一般公開はされているものの競争率が28倍(2016年度 陸上自衛隊hpより)となかなかのプラチナチケットです、はい。
(*4)行ったことないけど
 隣駅の駒沢大学駅は先日行きましたので、一応。東急田園都市線の桜新町駅は渋谷から4駅目、距離にして6キロ程度に位置します。

忠臣蔵をこういった冷徹なマキャヴェリズムの視点から見ると意外な側面が見えてくんだな~と感心(書楼弔堂 炎昼/時計草)

 ども、”私の一冊”を求めて流離うおぢさん、たいちろ~です。
 家族で買い物に行くんですが、奥様や娘と違って洋服を買う趣味がないもんで、だいたい本屋さんで待っています。手間のかからない旦那といやそうなんですが、なんだかな~と思うことも。まあ、店の外待たれるよりはましだろうと割り切っています。
 まあ、新しい本をぷらぷら見るなら本屋さん、掘り出し物を探すなら古書店ってとこでしょうか。まあ、Kindleを買ってからこっち、本屋で本を買うことも少なくはなってるんですが・・・(1)
 本屋でぷらぷらする最大の魅力は、思いがけなく面白そうな本を見つけることAmazonのリコメンデーション(*1)も悪くはないんですが、意外性って言う意味では本屋で適当にやってるほうが高いかも。Amazonも本屋さんもどっちも捨てがたい魅力ではあります。
 ということで、今回ご紹介するのは、究極の貴方にお勧めの一冊を紹介してくれる本屋さんの話”書楼弔堂”であります

写真はたいちろ~さんの撮影。宮城県やくらいガーデンで見かけた”時計草”です

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【本】書楼弔堂 炎昼(京極 夏彦、集英社)
 明治30年代初頭。塔子お嬢さんは道端で体調を崩していた”なきと”と名乗る老人を休ませるために、書舗”弔堂”に案内する。陸灯台と見紛う外見、吹き抜け三階建の壁面一面は全て本で埋め尽くされる書楼。そして弔堂主人は僧侶から還俗し、その人の一冊を売るという人物。そして、意外にも主人と”なきと”は旧知の間柄だった・・・(探書拾壱”無常”より)
 後に歴史に名をなす明治の偉人達と弔堂主人と本との出会いがやがてその人の人生に影響を与える”書楼弔堂”シリーズの第二巻。
【花】時計草(とけいそう)
 トケイソウ科・トケイソウ属の植物の総称。名前の由来は花の雌しべが時計の長針、短針、秒針のように見えるから。英語では”passion flower”でこっちは”キリストの受難の花”という意味。子房柱が十字架、3つに分裂した雌しべが釘、副冠は茨の冠に見えるからだとか。いろいろあるもんですな。
 本書では、牧野富太郎の植物のイラストが使われていて、その一つからあんまし見たことなさそうな花をチョイス。ちなみに塔子お嬢様に言わせると、充分に美しい範疇にはいるものの、何処か作り物めいていてでき過ぎのわざとらしさがあって気味悪いと。さんざんな言われようです。けっこう面白い造形の花だと思うんですけどねぇ(探書拾”変節”より)

 弔堂主人ですが、古今東西の書物に限らず、錦絵から新聞に至るまで博学なことこの上ない人。同じく京極夏彦の”百鬼夜行シリーズ”に登場する”京極堂”こと”中禅寺秋彦”も古書店主人で大概物知りですがこっちは宗教、伝承、民俗学、妖怪学方面の人。弔堂主人というと、文学、芸術、哲学、科学の分野までとオールジャンルの人。とても凡人のよくする所ではありません。こんな主人がお客との会話の中から人となりを推理して勧める本だから、まあ、はずれはない模様。さらに恐ろしいのは主人が勧める本がその人の人生を変えてしまう、その人が後に偉人となって結果として社会まで変えてしまう、そんなお話です。まあ、その人が誰かを考えながら読むのも本書のお楽しみでしょうか。

 まあ、中身は本書を読んでいただくとして、今回は弔堂主人となきと老人が会話した”忠臣蔵”の解釈が面白かったのでそっちの話を。
 ”忠臣蔵”の中で吉良邸討ち入りの合図に叩いた”山鹿流陣太鼓”つーのが出てきますが、この”山鹿流”ってのは山鹿素行による”兵法”だとなんとなくイメージしてたんですが、本来は修身治国を説いた士道学なんだとか。のちに勤皇の志士の理を支えるものになり、なきと老人のバックボーンになってます。
 で、弔堂主人が指摘したのが、志と兵法の矛盾

  志はどうあれ、あらゆる軍略は勝つために立てられるものではございませぬか
  ならば、相手が何者であれ、不意打ちだろうが待ち伏せだろうが一向に構いますまい
  時には退却も計略のうち。逃げること自体は卑怯なことではないのでございましょう

   (中略)
  しかし、時に高い志や精神性はそれを禁じ手としてしまうのです。
  勝つために死ね、そんなものは策でも何でもない、計略でもない、死んだら負けです

 さらに忠臣蔵の義士たちの死に関して武士ならば”義に生き義に殉じる”生き方も正しいかもしれないが近代的戦争でそれは時代遅れ精神論だけでは立ちいかぬと断じています。”一命を投じても通さねばならん義とてあろう”と食い下がるなきと老人に対し、浅野内匠頭に切腹を命じ、お家再興の願いを退けたのは幕府で、吉良上野介は契機に過ぎない、本来は幕府に抗議すべきで吉良を討つは単なる腹癒せと見ることもできると

  弔堂主人 :吉良は討たれても幕府は無傷。
        家が滅びようが藩が取り潰されるようが
        幕府は痛くも痒くもない
  なきと老人:だが諸民は喝采した

         (中略)
  弔堂主人 :義は、命と引き換えにできるほどに重い
        そうした在り方は幕府にとっても有り難かったというだけのこと
        その方が都合が良かっただけです
  なきと老人:都合とは、誰の都合だね
  弔堂主人 :幕府ですよ

 引用が長くなってすいません。でも、忠臣蔵をこういった冷徹なマキャヴェリズムの視点から見ると意外な側面が見えてくんだな~と感心(*3)
 一つは、戦略的思考と道徳ってのがあるべき姿として一致すりゃいいですが、必ずしもそうとは限んないということ。ましてや国家の一大事とか企業の存亡にかかわるとなりゃなおさらのこと。修身の教育が国家戦略に組み込まれていいようにされたってのは歴史の良く知るところです。
 もう一つは、大衆が喝采するような出来事が、実は裏で誰かさんにいいように利用されている可能性があるってこと。表向き”よくやった!”みたいな論調で書かれていても裏側に回ると、うさんくせ~何かがあるんじゃないかと考えとかないとかなりヤバイんじゃね?って気になります。最近の国際情勢なんか見てるとねぇ・・・

 さて、この”なきと老人”とは誰でしょう? 
 回答は本書にてお楽しみください
 ”『書楼弔堂』シリーズガイドブック”としてKindle版でさわりの部分と著者インタビューが無料で読めますん。ご興味がありましたら、そっちからでもどうぞ。

《脚注》
(*1)本屋で本を買うことも少なくはなってるんですが・・・(
 本屋で本かって、古本屋で本買って、Amazonで本買ってたら財布が持ちましぇ~~ん!
(*2)リコメンデーション
 ”ほしい物リストにある商品に基づくおすすめ商品”ってあれです。協調フィルタリングにデータマイニング、ビックデータの活用など最先端テクノロジーてんこもり。最近では人工知能なんかの技術も使ってそうな。中身は聞かないでください。分かっていないんで・・
(*3)冷徹なマキャヴェリズムの視点から見ると
 マキャヴェリズムとは”どんな手段や非道徳的な行為も、国家の利益を増進させるのであれば肯定されるという思想”(wikipediaより)。マキャヴェリの”君主論(岩波文庫他”の内容に由来するそうですが、この本もまだ読んでないなあ。

カレル・チャペックのパーソナリティとは無関係に職業選択の自由が保障されている以上、SF作家が園芸家だってよい訳で・・・(園芸家12ヶ月/カレル・チャペックの家)

 ども、こう見えてIT企業に勤めるおぢさん、たいちろ~です。
 ある仕事をしている人ってのは、なんとなく特定の趣味を持っているようなイメージがあります。IT企業に勤めていると家でも日長夜長パソコンをいじっているような感じがしますし、自動車メーカーに勤めていると休日にはドライブに行ってそうだし。職業的にも警察官は推理小説がお好みだったり、本屋さんだと寸暇を惜しんで本を読んでたり。作家だと、恋愛小説家は恋を夢見る妄想にふけり、SF作家は科学の専門書を読みふけり。まあ、推理小説家が趣味で殺人を企てているとは言いませんが・・・
 実際は職業的イメージと本人の趣味が必ずしも一致するわけではないでしょうが、さすがに最先端のSF作家の趣味が園芸だとなるとちょっと意外感があろうかと
 ということで、世界で最も有名はSF作家による園芸の本”園芸家の12ヶ月”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。花菜ガーデンにあるカレル・チャペックの家です

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【本】園芸家12ヶ月(カレル・チャペック、中公文庫)
 チェコの作家カレル・チャペックによる園芸マニアの生態を描いた?エッセイ。今風だと園芸オタク?? エスエフのエの字も出てきませんのでSFファンの方には肩すかしかもしれませんが、そのマインドはSFオタクに通じるものがあるかと。
【旅行】カレル・チャペックの家
 神奈川県平塚市の神奈川県立花と緑のふれあいセンター”花菜ガーデン”にあるカレル・チャペックの家と庭をイメージした建物(休憩所)です。私が行った時にはチューリップ祭りやってて、そのほかにもネモフィラ、やフロックス、アネモネ、梨、レンギョウなんてのが咲いてました。結構広い公園で入場料520円(5月のピークシーズンは880円)とリーズナブル。園芸マニアの方はぜひどうぞ

 カレル・チャペックという人、今さらですが戯曲”R.U.R(*1)”の中で世界で初めて”ロボット”という言葉を使った人です(本人曰く、ロボットという言葉を作ったのは兄のヨゼフだとか)。チャペック自身は作家、劇作家、ジャーナリストですので(wikipediaより)必ずしも理系の人という訳ではなさそうですが。
 まあ、チャペックのパーソナリティとは無関係に職業選択の自由が保障されている以上、チャペックにはなんの責任もない訳ですが(*2)、それにしてもSF作家と園芸家のギャップってけっこう大きいよなぁ・・・

 でも、本書を読んでると園芸家の生態と現在のSFオタクの生態って微妙にオーバーラップするところがあるかと。
 なんせ、ありとあらゆる種類の苗を植え、マニアックな品種の違いにこだわり、所狭しと苗を植え、隙間があろうもんならさらに新しい苗を植え、人には珍しい苗を自慢し、人が自慢するのはなんとか手に入れようとし、品種にこだわるとすべての種類を集めないと居ても立ってもおられず、普通の人なら見向きもしないような土壌の改良に情熱を傾け、お休みするはずの冬にもカタログで集めるべき苗の注文にいそしみ etc、etc、etc

 これってSFオタクと同じ?!
 ありとあらゆるSFを読み、マニアックなストーリの見解にこだわり、所狭しと本を並べ、隙間があろうもんなら更に新しい本を買い、人にはレアアイテムを自慢し、人が自慢するアイテムは古本屋を駆けずり回っても手に入れようとし、ジャンルにこだわるとすべての本を読了しないと居ても立ってもおられず、普通の人なら見向きもしないようなマイナーな知識の吸収に情熱を傾け、お休みするはずの(しないけど)のレジャーシーズンにも読むべき本をAmazonでポチットし etc、etc、etc
 そこ、炎上させないように!

 このブログで園芸家向けの人も読むかもしんないんでそっちの話も一つ。
 私自身、土地を借りて園芸ってか野菜作りをしてた時期もありまして。てか花は一切植えず食べられるものしか植えてないというのが正確な表現です。
 チャペック自身はアンチ野菜作りの人のようで、一時期野菜作りをした時のことがトラウマみたいです

  むろん、一種のローマンチシズムから、
  自分は百姓になったような幻想にひたりたいためだった。
  ところが、間もなくわたしは、
  一日に百二十個の廿日ダイコンをひとりで平らげなけねばならないことがわかった
  うちじゅうでもう、みんなが食べようとしなくなったからだ

 野菜というのは一度育ててみれば分かりますが、ある時期にいっぺんに大量に収穫できます。まあ、長期間にわたってずっと採れるものもありますが、それでも1~2ケ月というレンジです。まあ我が家の場合は少なくとも家族は喜んで食べてくれましたんで、一人で平らげることはなかったですが(*3)、それでも会社におすそ分けするとかしないとさばききれんかったですねぇ。確かにある程度の面積で家庭菜園やる時のネックかもしれません

 本書は、まったく園芸の本なので図書館で探される場合は日本十進分類法で”園芸(620)”のコーナーにあります(私が借りた時はそうでした)。SFとはまったく縁のない本ですが、それをさっぴいても面白いですよ。

P.S.
 最近、近所で土地を貸していただけることになり家庭菜園を再開いたしました
 久しぶりの鍬使いで筋肉痛でピキピキですが・・・

《脚注》
(*1)R.U.R
 岩波文庫で”ロボット(R.U.R)”で読めるみたいですが、すいません、まだ読んでません。ちなみに”R.U.R”は”ロッサム万能ロボット会社”の略です
(*2)チャペックのパーソナリティとは無関係に~
 モトネタは川原泉の”空の食欲魔人(白泉社文庫)”より
  しかしながら、それ自体彼のパーソナリティとは無関係に
  職業選択の自由が保障されている以上、彼にはなんら責任はない
  なぜなら、彼はパイロットだった・・・

(*3)一人で平らげることはなかったですが
 その代わり手伝ってくれることもなかったですが・・・

ア・ア・ア デジタル・ゴールド お金と思~う今年の人よ~♪(デジタル・ゴールド/通貨)

 ども、Fintech(フィンテック)にちょっとだけからんでるおぢさん、たいちろ~です。
 Fintech(FinTech)つーのは金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語”IT技術を使った新たな金融サービス”という意味。ところがこれがまた分かりにくいんですな。融資や資産形成のアドバイスをAIでやるだとか、スマホを使った決済や家計簿管理だとか、まあお金の処理に絡んだITだと何でもありの様相。群雄割拠というか玉石混交というか・・・ この中でも分かりやすそうで、実はよく分かんないのが”仮想通貨”というシロモノ。ちょっち真面目に勉強してみましょうということで、この本を読んでみました。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな仮想通貨の歴史を扱った本”デジタル・ゴールド”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。松山城天守閣に展示されていた”藩札”です

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【本】デジタル・ゴールド(ナサニエル・ポッパー、 日本経済新聞出版社)
 ”ビットコイン”と呼ばれる仮想通貨。その始まりは謎の人物”サトシ・ナカモト”がネットにアップした論文だった。2009年、この論文を元に発行された”ビットコイン”は2016年12月には時価総額140億ドルを超える・・・
 サブタイトルは”ビットコイン、その知られざる物語
【道具】通貨
 流通貨幣の略称で、国家などによって価値を保証された、決済のための価値交換媒体(wikipediaより)。この”保証”と”媒体”ってのがミソで、昔の金貨ならいざしらず、現在の”紙幣=媒体”そのものの物理的価値なんか無いに等しく、じゃあなんでこれがありがたがられるかというと日本銀行(日本政府)が価値を保証してくれてっから。
 価値を保証してくれれば別に国家(中央銀行)でなくてもいい訳で、実際に明治の廃藩置県以前は”藩札”ってのがありました。この中には代官所や旗本領が発行する紙幣ってのもあったそうで、こうなるとポイントカードのノリに近いんでしょうか?(*1)


 さて、本書ですが著者がニューヨーク・タイムスの記者ということもあって非常にリアル、ってか生々しい話(原書の副題に”Inside Story”ぐらい)。なにかって~と、技術の発展と思想的側面に支えられた初期の開発者たちが夢見た世界の発展と挫折、後半に登場する資本家たちの利益追求の姿勢がきわめて対照的なんですな。元々”ビットコイン”が開発された思想的基盤ってのはリバタリアン(自由至上主義者)により国家や金融機関などの権力から通貨を解放し、ネットワーク上で自由に使える通貨を手に入れる”ってあたりに合ったんですが、現実は国家や資本主義とは無縁ではいられなかったと。気になったトピックをいくつか

〔発行主体を持たない”ビットコイン”の価値〕
 ”ビットコイン”が生まれた背景には”国家に通貨の発行を任せていると、価値が安定しない”という思想があります。これは初期のメンバにはハイパーインフレの国にいた人がいたり、アメリカ国内でもリーマンショック(経済危機)を目の当たりにしてたりなどがあったから。国家(政策)に振り回されなけりゃこんなことにならないだろうというのがそもそもの発想です。
 ”ビットコイン”そのものは”マイニング”と呼ばれるコンピューターをブンまわして計算される一連の文字列として表記され、これが有限の個数(そういう仕様)なので問題はないと初期の開発者は考えてました。実際は有限の資産に対する獲得競争があって1BTC(ビッコトコイン)あたりの価値は膨らんでますがインフレよりはまし?

〔金遣いの履歴を見られない権利〕
 一般論で言うと、現金ってのは誰がどこで何を買ったかはわかりません(*2)。でもカード決済や銀行経由の送金だとこれが一目瞭然。まあ、リコメンデーションあたりだと罪はないんでしょうが(*3)、考えようによっては不気味でもあります。ビッコトコインでは”ブロックチェーン(*4)”という技術を使って匿名性を確保する仕組みになっています。
 ただ、ヤバイもんに手を出すとはいろいろ問題がありそうで、実際ビットコイン普及の原動力になったののひとつは不法薬物のネット販売の決済利用ってのがあり、これが政府に目をつけられた原因に。マネーロンダリングやテロ組織への送金など匿名であるがゆえに政府がピリピリしている状況です。

〔手数料が高いんじゃね?!〕
 ”ビットコイン”が生まれた背景のもう一つに”送金手数料”や”カード手数料”が高いし、処理に時間がかかるってのがあります。これは”銀行”や”カード会社”といったハブ機能を持つ寡占的・規制的な存在があり、その背景には集権的で高コストなシステムが存在するからだと。”ビットコイン”はこのようなハブが存在しなくても成立するので手数料が安くできると。
 ですが、実際には本来は不要であるはずの交換所(ビットコインを預けたり払い戻しをするネット上の企業)が立ち上がって、マウントゴックス(*5)のように、ここが破綻すると払い戻しができなくなるという事態が発生します。

〔銀行 vs IT企業〕

 銀行というのは典型的な規制企業なので、どっちかとゆ~と新しいコトをやるのが苦手な業界ではないかと思われます。昨今はそうも言ってられないのでFintechに積極的に取り組んでる銀行も増えてきていますが。これは彼の国も同じだったようで。JPモルガン・チェース(アメリカの銀行持株会社)とIT企業とを対比した本書の記載。

  JPモルガンが新規事業に参入する際にもっとも重視するのは
  どれだけ儲かるかではなく、規制当局がどう思うかに変わっていった

   (中略)
  金融危機に巻きこまれなかったシリコンバレーの姿勢は180度違った
  アップル、グーグル、フェイスブックなどの成功に意を強くしたIT業界は、
  世界を変える自らの能力への自信を深めていた

   (中略)
  むしろほかの業界と比べて、既存のプレーヤーが規制を破ることを極端に恐れている金融は、
  変革の機会にあふれていると思われた

 はてさて、次世代の覇者はどっちなんでしょうかね?

 さて、本書を読んだ最大の理由が”ところで、ビットコインって何に使えるんだっけ?”なんですが、読んでもよく分かりませんでした。確かに、送金なんかの手数料は安くできそうだし、資産蓄積には使えそうなんで役には立つってのはわかるんですが、今ンとここれでモノが買えるとこがそんなにあるわけじゃなし、呑み代の支払いで受け取ってもらえるとこもあんましありそうでなし、誰かがその価値を担保してくれるわけでなし。
 お金で物が買えるってのはその通貨に何か価値があると考える”共同幻想”の賜物だと考えれば、今のお金だってビットコインだって大した違いがないっちゃないのかもしれませんが・・・


  ア・ア・ア デジタル・ゴールド お金と思~う今年の人よ~♪
  円と違う ドルと違う 元と違う ユーロと違~う♪
  ごめんね 今のお金と又比べている~~♪
(*6)

まっ、これを書いている12月30日の日経新聞に国内最大のビットコイン取引所”bitFlyer”が日経新聞に3面ぶち抜き+1/3広告×3という大広告を出してたんで実体経済にも認知されつつあるようなので、もうちっとでいろいろ使えるようになるんでしょうかね。期待して新年を迎えてみましょう

《脚注》
(*1)ポイントカードのノリに近いんでしょうか?
 カードのポイントは値引きや景品との交換に使えるので通貨っぽいと言えます。じゃあ、この価値を保証する企業が倒産するとどうなるかつ~と会計処理上”引当金”を積んでいれば無価値になることはない(はず)です。逆に言うとこれを積んでいなければ無価値になることも・・・
(*2)誰がどこで何を買ったかはわかりません
 推理小説なんかだと、銀行強盗で奪ったお金は番号が控えられているので使うと足が付くなんてのがありますので、全く分かんないわけではないんでしょうが。
(*3)リコメンデーションあたりだと罪はないんでしょうが
 リコメンデーション(推奨)の例としてはAmazonの”おすすめの商品”がこれ。ただし、アイドルの写真集なんかを立て続けに見てると”おすすめ商品”にそれっぽいのがいっぱい表示されちゃうのはちょっと困りモンかも。
(*4)ブロックチェーン
 インターネット上の複数のコンピュータで取引情報を共有し正しい記録を鎖(チェーン)のようにつないで蓄積する仕組み。日本語では”公開分散元帳”と訳されます。
 技術的な詳しい内容はでんでん理解してませんが、まあ物理学を理解してなくても自転車には乗れるようなもんだと思えば気にはなりませんが・・・
(*5)マウントゴックス
 2013年には世界のビットコイン取引量の70%を占めた交換所。ハッキングによりビットコインを喪失し、支払い不能になり2014年に破産。
(*6)ア・ア・ア デジタル・ゴールド~
 昭和の名曲”イミテイション・ゴールド”作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、歌:山口百恵)です。すいません、悪ノリしました。こんな曲です

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